| 
      | 
     
福娘童話集 > きょうの日本民話 > 10月の日本民話 > 巨大な魚のタマゴ 
      10月18日の日本民話 
        
           
  巨大な魚のタマゴ 
  神奈川県の民話 → 神奈川県情報 
      
        むかしむかし、鎌倉(かまくら)や葉山(はやま)の海が、突然まっ赤にそまったのです。 
        「何だこれは! 海が血のように赤いぞ!」 
        「何か悪い事が起こる、前ぶれではないのか!」 
         みんながびっくりしていると、うわさを聞いたお坊さんが海辺へやって来て、赤い水を調べ始めました。 
 手に取ってみると水はネバネバとしたおかゆのようで、中に赤いアワ(→鳥のエサになる、イネ科の一年草)のような粒がびっしり入っています。 
 浜の人が、お坊さんにたずねました。 
  「長年漁師をしていますが、こんな事は生まれてはじめてです。なにか、大きな災(わざわ)いでもあるのですか?」 
 するとお坊さんは、こんな話をしました。 
  「この海の東のかなたには、とてつもなく巨大な魚がそうじゃ。 
   何しろ一日目にその魚の頭を見たなら、尾を見るのは七日目の事という。 
   そしてその巨大な魚がタマゴをうむとき、海の色がまっ赤になるという。 
   おそらく、その巨大な魚がタマゴをうんだのであろう。 
   災いが起こるかどうかはわからぬが、用心しておくにこしたことはない」 
 浜の人々は災いにそなえて、いつでも逃げられる準備をしましたが、赤い海は五、六日たつと元の美しい海にもどって、心配した災いも起こらなかったそうです。 
      おしまい 
         
         
         
        
 
     | 
      | 
     |