|
1月21日の日本民話
むかしむかし、あるところに、大きなネコと小さなネコが住んでいました。
ある日の事、二匹のネコはおむすびを拾いました。
大きなネコが拾ったおむすびは小さく、
小さなネコが拾ったのは大きなおむすびでした。
「お前は体が小さくて、おいらは体が大きいから、そのおむすびと取り替えてくれ」
「いいや、お前はもう体が大きいから、小さなおむすびで良い。でも、おいらはもっと大きくならないといけないから、大きなおむすびを食べるよ」
「そんな事はない。むかしから大きな者はたくさん食べ、小さい者は少なく食べるに決まっている」
そしてとうとう、けんかになってしまいました。
「なるほど、どっちの言う事も、もっともだな」
サルは、しばらく腕を組んで考えていましたが、
と、言いました。
「いいとも、賛成」
サルははかりを持って来て、両手にに二つのおむすびを乗せました。
「うむ、こっちの方が、だいぶ重たいぞ」
サルは大きな方のおむすびを、一口食べました。
「こっちが、まだ重たい」
と、言いながら、大きい方のおむすびをパクリパクリと食べて、はかりに乗せました。
そのうちに、小さなネコのおむすびが軽くなってしまいました。
今度は大きなネコのおむすびを、パクリと一口食べました。
「あっちが重い、こっちが重い」
そうこう言っているうちに、
サルはとうとう、おむすびを二つとも食べてしまいました。
二匹のネコはガッカリして、泣きながら帰って行ったという事です。 おしまい |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||