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 4月13日の日本民話 2
 
  
 ヒョウの皮の屋根
 佐賀県の民話 → 佐賀県情報
 
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 制作: ぐっすり眠れる癒しの朗読【壽老麻衣】フリーアナウンサーの読み聞かせ
  むかしむかし、唐津(からつ→さがけん)の町に、かんねどんと呼ばれている変わり者がいました。
 ある日の事、かんねどんが近くの村に出かけていくと、立派な家を建てているところにぶつかりました。
 「柱も太いし、よい家じゃ」
 「まるで、御殿(ごてん)のようだ」
 村人たちが集まって、みんなで家をほめています。
 かんねどんもそう思いましたが、かんねどんはへそ曲がりだったので、
 「はん。こんな家が御殿じゃと? おれの家など、ヒョウの皮で屋根をふいてあるわい」
 と、いばって言いました。
 「へえ、ヒョウの皮で屋根がふいてあるとは、豪勢(ごうせい)じゃのう。これはぜひとも、見せてもらいてえ」
 「いいとも、いいとも。ついてくるがいい」
 かんねどんは、村人たちを家へ連れてきました。
 「これがそうだ。よく見ろ」
 かんねどんは、たわらをかぶせただけの、とてもそまつな家を指差して言いました。
 「おいおい、これのどこがヒョウの皮だ」
 「ただのたわらではないか。バカにするな!」
 村人たちが文句を言うと、かんねどんが言いました。
 「お前たち、米のたわらを数える時は、一俵、二俵というじゃろが。つまり俵(たわら)の皮で、屋根がふいてあるだろうが」
 「・・・・・・」
 「・・・・・・」
 村人たちはあっけにとられて、何も言えませんでした。
 おしまい   
 
 
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