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1月8日の世界の昔話

おいしいおかゆ

おいしいおかゆ
グリム童話 →グリム童話の詳細

 むかしむかし、ある町に、とても貧乏(びんぼう)な家がありました。
 住んでいるのは心の優しい女の子とお母さんの二人です。
 ある日、この家には食べるものが、もう何もなくなってしまいました。
「こまったわね。森へ行って、木の実をひろってきて」
 女の子はお母さんに言われて、森へ木の実をひろいに行きました。
 すると、一人のおばあさんが現れました。
「おや、こんな森の中に、一人で来るなんて。どうしたんだい?」
「はい、家には食べるものが何もないので、木の実をひろいにきました」
「そうかい、感心だねえ。じゃあ、おばあさんがいいものをあげよう」
 そういっておばあさんは、女の子に古ぼけたおナベをくれました。
 それは、とても不思議なおナベでした。
 おナベにむかって、
「おナベよ、にえろ」
と、言うと、あたたかくておいしいおかゆが自然に出てきて、
「おナベよ、止まれ」
と、言うまで、おかゆは出てくるのでした。
 おかげで女の子もお母さんも、もう、おなかがすいてこまる事はなくなりました。
 ある日、女の子がとなりの町へ出かけた後で、お母さんはおかゆが食べたくなりました。
 そこで女の子のまねをして、
「おナベよ、にえろ」
と、言ってみました。
 すると、おナベはちゃんとおかゆを作ってくれました。
 ところがお母さんは、おかゆの止め方を知りませんでした。
「おナベよ、もういらないよ。おなかはいっぱいだよ」
 いくらお母さんがそう言っても、おかゆはどんどんにえて、おナベからこぼれ出しました。
 やがておかゆは台所からあふれて、家中をいっぱいにして、とうとう家の外へ流れ出しました。
 それでもおかゆは止まりません。
 となりの家も、そのとなりの家も、そのまたとなりの家も。
 とうとう町中がおかゆだらけになり、町の人たちもみんな流されていきます。
 そして、おかゆが町はずれまで来たとき、となりの町から女の子が帰ってきました。
 女の子はビックリして、
「おナベよ、とまれ!!」
 やっと、おかゆは止まりました。
 そのあと町の人たちは、町中にあふれているおかゆを少しずつ食べながら、自分の家へ帰っていったそうです。
 使い方を知らないの物を勝手に使うと、とんでもないことになると言うお話しでした。

おしまい

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