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 4月5日の日本の昔話
 
 
  
 つぼを買う
 吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて
 
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 日本語&客家語
 
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 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
 
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 制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
 
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 投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」
 
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 投稿者 「眠りのねこカフェ」
 
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 投稿者 「きべだよ。」
 
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 投稿者 「ぐっすり眠れる優しいおやすみ朗読」
 
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 投稿者 「天乃悠の朗読アート」   天乃悠の朗読アート
 
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 投稿者 あんみつこの読み聞かせ部屋
 
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 投稿者 「癒しの森っ子」
 
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 投稿者 「幼児教室のせんせい まる / M A R U」
 
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 投稿者 「眠るうさぎのささやく読み聞かせ」
 
  むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。ある日、吉四六さんのお母さんが吉四六さんに言いました。
 「吉四六や、うめぼしを入れるつぼを買って来ておくれ」
 「わかった」
 吉四六さんが、すぐに出かけようとすると、
 「ちょっとお待ち。あんたはそそっかしいから、つぼを買う前に落ちついてよく調ベてみるのですよ」
 「はい、気をつけて買います」
 と、吉四六さんは頷いて、家を出ました。
 
 町へやって来ると、大きな瀬戸物屋(せとものや)がありました。
 吉四六さんは、中へ入って言いました。
 「ごめんなさい。つぼを一つ下さい。うめぼしを入れるつぼです」
 すると瀬戸物屋のおばさんは、店先で本を読みながら、
 「いらっしゃい」
 と、言っただけで、吉四六さんの方を振り向きもしません。
 「つぼなら、そこに並んでいるから見て下さいな」
 「はい、わかりました」
 吉四六さんは、店の中を見回しました。
 なるほどそこには、つぼがたくさん並べてあります。
 でも、どのつぼも口を下にして、底の方を上にしています。
 それを見ると吉四六さんは、不思議そうに首を傾げて、
 「おばさん、ここにあるつぼは、みんな口のないつぼですね」
 と、言いました。
 おばさんは、本を読みながら言いました。
 「ひっくり返してごらんなさいよ」
 吉四六さんは言われた通りに、つぼをひっくり返してみました。
 すると今度は、もっとビックリした様な顔になって、
 「あれれ? 底に穴が開いている。このつぼは口がなくて、おまけに底もないつぼだ」
 と、言いました。
 吉四六さんは、つぼの口と底とを間違えたのですが、それに気がつきません。
 「ここのつぼは、みんな駄目だ」
 吉四六さんはそう言うと、そのまま店を飛び出して家へ帰って来ました。
 「お母さん、瀬戸物屋へ行きましたが、駄目なつぼばかりなので買って来ませんでしたよ」
 「おや? なぜ駄目だったの?」
 「はい。どのつぼもみんな、口も底もない物ばかりだったのですよ。あんなつぼを作った人は、よっぽどの慌て者ですね」
 おしまい   
 
 
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