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 3月7日の日本の昔話
 
  
 なぞかけの焼きいも屋
 
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 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
 
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 制作 : 眠れない夜の、眠れるお話
 
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 投稿者 「眠りのねこカフェ」
 
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 投稿者 あんみつこの読み聞かせ部屋
 
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 投稿者 「ぐっすり眠れる優しいおやすみ朗読」
 
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 投稿者 「癒しの森っ子」
 
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 制作: ぐっすり眠れる癒しの朗読【壽老麻衣】フリーアナウンサーの読み聞かせ
  むかしむかし、ある町に、屋台の焼きいも屋が現れました。「えー、八里半の焼きいも~ 焼きたての、八里半の焼きいもだよ~」
 焼きいも好きな男がこれを聞いて、焼きいも屋に声をかけました。
 「おーい、焼きいも売り。八里半の焼きいもとやらを、もらおうじゃないか」
 「へい、ありがとうございます」
 「しかし、八里半の焼きいもとは、何のことだ?」
 「へい。この焼きいもの味が、クリ(九里→くり)に近いという、なぞかけでごぜえますだ」
 「なるほど。九里から少し引いて、八里半か。うまい事を言うな。よし、一本たのむよ」
 「へい。まいどあり」
 男が八里半の焼きいもを割ってみると、確かにクリの様に黄色くておいしそうです。
 けれども食べてみると、クリほどはおいしくありませんでした。
 「確かに、うまいはうまいが、クリにはおよばねえな。名前通りだ」
 
 男が歩いて行くと、別の焼きいも屋がありました。
 「えー、九里半の焼きいもはいかがですか~ 焼きたての九里半の焼きいも~」
 「おーい、焼きいも屋。九里半の焼きいもとやらを、もらおうじゃないか。ところで、九里半とは何のことだ?」
 「へい、クリより、半里もうまいという、なぞかけですだ」
 「ほほう、それで九里半か」
 男が食べてみると、確かにあまくて、クリよりおいしい焼きいもでした。
 「ああ、うまかった。さすが九里半だ。名前通りだ」
 
 男がさらに歩いて行くと、また別の焼きいも屋がやって来ました。
 「えー、十里の焼きいもはいかがですか~ 焼きたての十里の焼きいも~」
 「焼きいも屋。十里の焼きいもとは、何の事だ?」
 「ああっ、説明するよりも、食って見りゃわかるだ」
 今度の焼きいも屋は、えらく態度の悪い焼きいも屋です。
 (まあ、八里半、九里半と来て、どんどんうまくなっているから、この十里の焼きいもは、もっとうまい焼きいもにちがいない)
 男はそう思って十里の焼きいもを食べてみたのですが、いもが悪いのか固くてゴリゴリしています。
 とてもまずくて、食べられたものではありません。
 「なんだい、このまずい焼きいもは! ゴリゴリして、食えたもんじゃないぞ!」
 男が文句をいうと、焼きいも屋はすました顔で言いました。
 「だから、十里と言っただろう。五里(ゴリ)と五里(ゴリ)で十里。焼きいもがゴリゴリしていてあたり前だ」
 「なるほど、確かに名前通りだ」
 おしまい
 関連する記念日紹介
 「10月13日 サツマイモの日」について (366日への旅)より
 
  記念日イメージキャラ 福ちゃん イラスト「ぺんた」 ※無断転載禁止
   
 
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