福娘童話集 きょうの小話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 
     6月 4日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
虫の日
きょうの誕生花
うつぎ
きょうの誕生日・出来事
1974年 和泉元弥(狂言師)
  6月 4日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
たのまれたてがみ
きょうの世界昔話
王子と指輪
きょうの日本民話
ヒヒ
きょうのイソップ童話
ハチとシャコとお百姓
きょうの江戸小話
日本一の親孝行
6月 4日の広告

福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 6月の江戸小話 > 日本一の親孝行

6月4日の小話

日本一の親孝行

日本一の親孝行

 両国(りょうごく→東京)のさかり場に、見世物小屋(みせものごや)が、ずらりとならんでおります。
 その中に、これはまた、ちょっとかわった見世物がありました。
「さあさあ、日本一の親孝行は、こちら、お代は見てからでけっこう。さあ、日本一の親孝行」
 いせいのいい口上(こうじょう→見世物の内容紹介)につられて、中にはいりますと、正面に七十ぐらいのおばあさんと、そのそばに、四十ばかりの男がすわっております。
 おばあさんが、
「これ、孝助(こうすけ)や。こしをたたいておくれ」
と、いえば、そばの男が、
「かしこまりました」
と、おばあさんのこしをたたく。
「肩をもんでおくれ」
と、いえば、
「かしこまりました」
と、肩をもむ。
「今夜のおかずには竹の子をほってきて、食ベさせておくれ」
と、いえば、
「かしこまりました」
と、神妙(しんみょう→すなお)にこたえる。
 そのあげく、おばあさんが、
「わしゃ、しょうべんに行きとうなった」
と、いえば、
「はい、かしこまりました」
と、むすこは、背中をさし出す。
 おばあさんがおぶさると、むすこは、舞台(ぶたい)をぐるりと一回りして、楽屋(がくや→関係者の部屋)へひっこんでしまいました。
 ここで、見世物師は、
「えーい、先のお方は、おかわりーっ」
と、見物人の入れ替えをいたしました。
 むかしは、こんな見せ物小屋も、けっこうありました。

おしまい

一覧へ移動   このページを閉じる   ホームへ移動

きょうの江戸小話
ミニカレンダー
<<  6月  >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識