| 福娘童話集 > 日本の民話 その2  > 4月の日本民話
 4月21日の日本民話 2
 
  
 宝の隠し場所
 兵庫県の民話 → 兵庫県情報
  むかしむかしあるところに、とても気の小さいお百姓さんがいました。そのお百姓さんが畑をたがやしていると、なんと、お金がぎっしりつまったつぼが出てきたのです。
 (これは、いい物を見つけたぞ)
 お百姓さんは、大よろこびで家に持ってかえりました。
 でも、どろぼうに見つかったら大変です。
 (さて、どこへかくそうか)
 お百姓さんは、かくし場所をさがしてみましたが、小さな家なので、うまい隠し場所がありません。
 (そうだ。もとの場所へうめておくのが一番だ。これまでだれにも見つからなかったんだから、これからも見つからないだろう)
 お百姓さんはつぼをかかえて畑に行くと、もとの場所にうめました。
 (よし、これで大丈夫。・・・ああでも、ここをほり返されたらどうしよう?)
 そこで、つぼの上に、
 《ここには、宝物がありません。だから掘り返さないでください》
 と、いう、立てふだを立てました。
 (これで大丈夫)
 お百姓さんは、安心して家に帰りました。
 さて次の日、お百姓さんが畑へ行ってみると、宝のつぼはぬすまれたあとだったということです。
 おしまい   
 
 
 |