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9月28日の小話
名医
下手くそで評判のやぶ医者が、じまんげに言いました。 「おっほん。 名医とはおそらく、わしのような医者を言うのであろうな。 何しろわしは、今まで一度たりとも病人から文句を言われたことがない」 すると、それを聞いた男が言いました。 「そりゃあ、文句一つないでしょう。 何しろ先生の手にかかった病人は、すぐにあの世へ行ってしまうのですから」
♪ちゃんちゃん (おしまい)