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3月5日の百物語
(3月5日的日本鬼故事)
どくろのお経

どくろのお経
死人骨頭經

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投稿者 「櫻井園子」  櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》

♪音声配信(html5)
朗読者 ; ☆横島小次郎☆

むかしむかし、紀伊の国(きいのくに→和歌山県)の山寺に、とても偉いお坊さんがいました。
到好久以前、紀伊国(現和歌山縣)、山上廟裡頭、有個好厲害的方丈。

人々はこのお坊さんを敬意を込めて、『紀伊菩薩(きいぼさつ)』と呼びました。
別個也是尊他菩薩、紀伊菩薩。

ある年の事、この紀伊菩薩のところに、一人の若者が弟子入りをしました。
有天菩薩這裡就來過年輕人、拜師。

この弟子は大変まじめで、少しでも時間があれば、いつもお経を唱えていました。
小傢伙也是勤快、一有閒就念經。

そして何年もお経を読むうちに、このお坊さんの声はとても美しい声になりました。
後面念幾年、經是像唱歌樣的、越來越好聽。

ある日の事、このお坊さんが紀伊菩薩に言いました。
有天就跟師傅港了。

「わたしはこれから諸国(しょこく)を行脚(あんぎゃ→各地を歩いて修行すること)して、仏の教えを広めとうございます」
我自己也是可以落山、弘揚正法去了。

「ほう、それは感心な事じゃ。気をつけて、行って来るのだよ」
師傅也是高興啊

紀伊菩薩はこころよく、この弟子を寺から送り出しました。
這就高高行行送行。

それから三年後、里に船大工(ふなだいく→船作りの人)たちがやって来ました。
三年後、就有群村裡面的造船師傅。

船大工たちは船を作る木を切り出す為に山へ小屋を建てて、そこで仕事を始めました。
建船就要木頭、就到山裡面搭了個作坊、到裡面砍樹。

するとどこからともなく、お経をよむ声が聞こえて来ました。
就聽到有人唸經

その声は、少しも休む事なく聞こえて来ます。
一直都不停的。

「さて、なんと美しいお声じゃろう」
這聲音好聽啊

「こんな山の中で、ああも一心にお経をよんでおられるとは、とても素晴らしいお方に違いない」
船工就覺得和尚經念的好、說明功力也高。

「ぜひ、お目にかかりたいものじゃ」
就都想看哈子法師長甚麼樣子。

「ああ」
讚歎

そこでみんなはお供え物を持って、山の中を探して歩きました。
這就還帶提一些伴手禮、邏和尚去了。

ところが一日中探しても、その姿を見る事が出来ません。
一天下來都米看到和尚到哪裡。

ガッカリして小屋に帰って来ると、またどこからともなく、お経が聞こえて来るのです。
無功、失望、這就回來了、又就只聽到一條經到唱。

船大工たちは、それから何度も山中を探しましたが、どうしても姿を見つける事は出来ませんでした。
後面也是邏了好多次、米的一次看到人。

それから半年後、船大工たちは新しい船を作る為に、また山ヘやって来ました。
半年之後、新船又要建了、船工就又上山。

すると半年前と同じ様に、お経を読む声が聞こえて来るのです。
唸經的聲音還是和半年前一樣的、反正可以聽到。

「前と、同じお声じゃ」
和以前一樣啊

「本当に。なんとも、不思議な事じゃ」
是啊、這好怪。

「これにはなにか、わけがあるに違いない」
這裡面肯定有甚麼事到。

船大工たちはまた、山の中を探して歩きました。
又開始邏

今度も声をたよりに歩きましたが、なかなか見つかりません。
也是一樣、跟到聲音也甚麼都邏不到。

「もしかしたら、川の流れの音が岩山にぶつかって、お経の様に聞こえて来るのではないか?」
為(莫)是溪水撞到石頭、不是人到念啊。

「いや、あれは確かに、お経をよまれるお坊さまのお声だ」
不對、這聲音硬是條和尚的。

なおも探していると、一行はけわしい岩山に出ました。
後面工人是越爬越高、往岩山上面去了。

「おや? あれは、なんじゃ?」
那是甚麼?

一人の男が指差す方を見てみると、谷底のしげみに何か白い物があります。
一個人手就指到崖底下的草叢裡面。

近寄ってみると、なんとそれはガイコツでした。
落去一看、一堆死人骨頭。

何年も前に死んだのか、もう白い骨が残っているだけです。
已經死好多年、骨頭都白白的。

盗賊に襲われたのか、それともオオカミに襲われたのか。
不曉得是賊頭還是狼

「ああ、気の毒な事じゃ」
船工看到骨頭也是嘆。

みんなで手を合せると、なんとそのガイコツが、大きな声でお経をあげはじめたのです。
大家也是一起哀悼、哪曉得突然這個時候、死人骨頭、開始瘋狂唸經了。

「ひぇーーーっ!」
啊啊!

船大工たちはビックリして、あわててその場から逃げ帰りました。
人一哈全跑了。

さらにそれから三年後、船大工の一人が山寺に立ち寄った時、紀伊菩薩にこの話しをしました。
也是又過了三年、剛好順便過路、其中一個工人就進到紀伊菩薩廟裡面、幫這個事港起他聽了。

すると菩薩は、
「死んでもなお、お経を唱えるとは。その仏さまを、手厚くほうむってあげたいのう」
菩薩聽港、死人還可以幫經念了、也是覺得是個大人物、想要厚葬他。

と、さっそく熊野の山ヘ出かけたのです。
馬上就上山。

そして紀伊菩薩が船大工の小屋のそばヘ来た時、紀伊菩薩は首をかしげました。
菩薩也走到工人的作坊邊上了
確實是聽了唸經的聲音。


「おお、確かに聞こえる。
見事な声じゃ。
菩薩也覺得這經念的是好

しかし、この声には聞き覚えが・・・。
但莫名感覺熟悉

そうじゃ!
突然

この声は修業の旅に出た、あの弟子の声に違いない」
這不就是自己下山徒弟的聲音啊

紀伊菩薩が谷底へ行ってみると、そこにはガイコツはなく、ドクロが一つゴロンと転がっていました。
菩薩也下到崖底下、看到的不是死人骨頭、是一顆到地上打滾的骷髏頭。

そしてそのドクロの口の中から、あのお経が聞こえて来るのです。
聲音就是從這個骷髏腦殼裡面發出來的。

紀伊菩薩も一緒にお経を唱えながら、ドクロの口の中をのぞいてみました。
菩薩也跟到一起唸經、再看到骷髏頭嘴巴裡面。

すると不思議な事に、ドクロの口の中には舌(した)だけが腐らずにまだ残っていて、その舌が動いて一心にお経を唱えていたという事です。
不可思議、裡面就舌頭還米腐爛、一直一動一動的不停落來的到唸經。

おしまい
结束

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