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 10月3日の日本の昔話
 
  
 正体のばれたキツネ
 
 ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
 
 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
 
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 投稿者 「きべだよ。」
 
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 投稿者 「眠りのねこカフェ」
 
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 制作: ぐっすり眠れる癒しの朗読【壽老麻衣】フリーアナウンサーの読み聞かせ
 
  むかしむかし、ある小さな山の茶店に、一人のさむらいが入ってきました。「ごめん」
 「はい、いらっしゃいませ」
 「じいさん、ここのダンゴは、うまいと評判だ。わしにも一皿、もってまいれ」
 「はいはい。どうぞ、めしあがってくださいませ」
 茶店のおじいさんは、お茶とダンゴをはこんできました。
 その時、おじいさんはさむらいの顔を見てびっくりしました。
 「あれ、まあ!」
 何と、おさむらいの耳はピーンと三角にとがっていて、顔のあちこちに茶色の毛が生えています。
 (ははーん、このおさむらいはキツネだな)
 おじいさんは正体を見抜きましたが、キツネはうまく化けたつもりで、むねをはっていばったかっこうをしています。
 おかしくなったおじいさんは小さなおけに水を入れて、さむらいの前へ持って行きました。
 「おさむらいさま、お顔と耳が少し汚れておいでのようです。どうぞ、この水をお使いください」
 「ふむ、これはどうも」
 うなずいたさむらいは、おけの中をのぞいてびっくり。
 (コンコン、これは化けそこなった!)
 キツネは、大あわてです。
 「さあ、おさむらいさま。ごゆっくり、召し上がってくださいませ」
 おじいさんがそう言っても、キツネには聞こえません。
 キツネはダンゴも食べずに、そのまま山の方へ逃げていってしまいました。
 
 次の日、おじいさんはたきぎをひろいに、山の中へ入っていきました。
 すると、どこからか、
 「おじいさん、おじいさん」
 と、よぶ声がします。
 おじいさんは見回しましたが、誰もいません。
 「はて? 何のご用ですか?」
 おじいさんが言うと、
 「おじいさん、昨日はおかしかっただろう。大失敗だったよ。ウフフフ、アハハハ」
 と、笑い声が聞こえてきました。
 「ああ、昨日のキツネさんか。そう言えば、あの時はおかしかったな。アハハハ」
 おじいさんも、大笑いしました。
 おしまい   
 
 
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