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9月7日の日本の昔話

福の神になったびんぼう神

福の神になった貧乏神

♪音声配信
スタヂオせんむ

 むかしむかし、働き者なのに、とても貧乏な夫婦がいました。

 ある年のくれ、二人が大掃除をしていると、やせたネズミのような物が神棚(かみだな)から出てきました。
「わしは、貧乏神(びんぼうがみ)だ、お前たちがあんまりまじめに働くから、わしはこの家を出て行くよ。たっしゃでな」
 そう言って貧乏神は、ヨタヨタと歩き出しました。
 すると夫婦は、
「貧乏神と言っても、神さまにはかわりありません。どうか、この家にいて下さい」
「うん? わしは、貧乏神だぞ」
「はい、貧乏神さま。大切にしますので、どうかお願いいたします」
と、言って、無理矢理(むりやり)に貧乏神を神棚に押し戻しました。

 それから夫婦は毎日神棚に食べ物を供えて、コツコツとまじめに働き続けました。
 やがて気がつくと、いつの間にか夫婦はお金持ちになっていました。
 そこで倉(くら)のある、大きな家をたてました。

 今日は、引っ越しの日です。
 夫婦は、神棚に向かって言いました。
「さあ、貧乏神さま。一緒に新しい家に参りましょう」
 すると神棚からは、きれいな着物を着た神さまが出てきたのです。
「お前たちのおかげで、これこの通り。礼を言うぞ。これからもよろしくな」
 夫婦に大切にされた貧乏神は、いつのまにか福の神になっていたのです。

おしまい

※ 北海道大学 外国語教育センターのオンライン学習で、「福の神になった貧乏神」のお話しと朗読が使用される事になりました。
 担当 北海道大学 外国語教育センター 「河合 剛 准教授」

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