福娘童話集 > きょうの日本昔話 福娘童話集 きょうの日本昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 5月の日本昔話 > 鬼がつくった鬼の面

5月27日の日本の昔話

鬼がつくった鬼の面

鬼がつくった鬼の面
京都府の民話京都府情報

♪音声配信(html5)
音声 ヤマネコギン

 むかしむかし、丹後(たんご→京都府北部)の国分寺(こくぶんじ)というお寺に、夫婦が住み込みで働いていました。
 この夫婦はとてもまじめに働くのですが、ただ一つだけ不思議なことがありました。
 それはこの寺の和尚さんが留守のときに限って、お米やまきの減る量がとても多いのです。
「二人が食べるには多すぎる量だ。もしかして、米やまきを売っているのでは?」
 ある日、和尚さんは出かけるふりをして台所のすみに隠れると、この夫婦の様子をこっそり見ることにしたのです。
 和尚さんが出かけたと思った夫婦は、
「やれやれ、やっと和尚さんも出かけてくれたぞ。ではいつもの様に、たっぷり飯を食べることにしよう」
と、台所の大釜にお米を一斗(いっと→十八リットル)あまりも炊いて、それをペロリとたいらげると、今度はいろりに薪(まき)を次々とくべて、気持ち良さそうに寝ころんだではありませんか。
「なんと言う夫婦だ。大食らいな上に、大切なまきをあんなにむだづかいするとは」
 大きないびきをかいて昼寝をする二人に腹を立てた和尚さんが、どなりつけてやろうと思って夫婦に近づくと、眠っていた夫婦の姿が急に変わり始めました。
 夫婦の顔はみるみるまっ赤になり、口は耳までさけて、頭から二本の角が生えてきたではありませんか。
 和尚さんは驚きのあまり、思わず叫び声をあげました。
「鬼じゃ!」
 この声に目を覚ました夫婦は、台所にあった太いまきに鋭いツメをたてると、自分たちの鬼の顔をあっという間に彫り上げたのです。
 そして和尚さんに一礼すると、そのまま姿を消してしまいました。
「あの鬼、もしや人間になりたくて、ここで働いていたのでは」
 和尚さんが鬼の彫り上げた面を拾ってみると、その鬼の顔は何ともやさしい顔をしていたそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     5月27日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
百人一首の日
きょうの誕生花
蔓薔薇(つるばら)
きょうの誕生日・出来事
1976年 山根 良顕 (タレント)
恋の誕生日占い
美人で頭が良く、何でも上手にこなせる
なぞなぞ小学校
一人では乗れない乗り物は?
あこがれの職業紹介
ピアノ・音楽教室講師
恋の魔法とおまじない 148
運命の出会いの前触れ
  5月27日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
鬼がつくった鬼の面
きょうの世界昔話
かしこいお医者のやせ薬
きょうの日本民話
梅津(うめづ)の長者
きょうのイソップ童話
ラッパ手
きょうの江戸小話
飛脚
きょうの百物語
弥三郎(やさぶろう)ばばあ

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ