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 2月3日の日本の昔話
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 イラスト myi   ブログ sorairoiro
 
 節分の鬼
 
 にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
 
 日本語&客家語
 
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 投稿者 「ちょこもち」  ちょこもち
 
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 制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
 
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 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
 
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 制作: ユメの本棚
 
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 投稿者 「お眠りあまつかぜ」
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 投稿者 「ぐっすり眠れる優しいおやすみ朗読」
 
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 投稿者 「癒しの森っ子」
 
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 投稿者 「眠りのねこカフェ」
 
 
 
        
          | ♪音声配信(html5) |  
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          | 音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP |  
 
 
 かくしキャラを探そう。 
(キツネ、葉っぱウサギ)
  正解は、お話しの最後にあります。
  むかしむかし、ある山里に、一人暮らしのおじいさんがいました。この山里では今年も豊作で、秋祭りでにぎわっていましたが、誰もおじいさんをさそってくれる者はおりません。
 
          おじいさんは祭りの踊りの輪にも入らず、遠くから見ているだけでした。おじいさんのおかみさんは病気で早くになくなって、一人息子も二年前に病気で死んでいました。
 
          おじいさんは毎日、おかみさんと息子の小さなお墓に、お参りする事だけが楽しみでした。「かかや、息子や、早くお迎えに来てけろや。極楽(ごくらく→天国)さ、連れてってけろや」
 そう言って、いつまでもいつまでも、お墓の前で手を合わせているのでした。
 
 やがてこの山里にも冬が来て、おじいさんの小さな家は、すっぽりと深い雪に埋もれてしまいました。
 
          冬の間中、おじいさんはお墓参りにも出かけられず、じっと家の中に閉じこもっています。 
          正月が来ても、もちを買うお金もありません。ただ冬が過ぎるのを、待っているだけでした。
 
 ある晴れた日、さみしさに耐えられなくなって、おじいさんは雪に埋まりながら、おかみさんと息子に会いに出かけました。
 
          お墓は、すっかり雪に埋まっています。 
          おじいさんは、そのお墓の雪を手で払いのけると。 
         「さぶかったべえ。おらのこさえた甘酒だ。これ飲んで温まってけろ」おじいさんは甘酒を供えて、お墓の前で長い事、話しかけていました。
 
 帰る頃には、もう日も暮れていました。
 
          暗い夜道を歩くおじいさんの耳に、子どもたちの声が聞こえてきます。「鬼は~、外! 福は~、内!」
 「鬼は~、外! 福は~、内!」
 おじいさんは足を止めて、辺りを見回しました。
 どの家にも明かりがともって、楽しそうな声がします。
 「ほう、今夜は節分(せつぶん)じゃったか」
 おじいさんは、息子が元気だった頃の節分を思い出しました。
 
          鬼の面をかぶったおじいさんに、息子が豆を投げつけます。息子に投げつけられた豆の痛さも、今では楽しい思い出です。
 
 おじいさんは家に帰ると、押し入れの中から古いつづらを出しました。
 
         「おお、あったぞ」 
 「むかし、息子とまいた節分の豆じゃあ。ああそれに、これは息子がわしに作ってくれた鬼の面じゃ」思い出の面をつけたじいさんは、ある事を思いつきました。
 
         「おっかあも、可愛い息子も、もういねえ。ましてや、福の神なんざにゃ、とっくに見放されておる」こう思ったおじいさんは、鬼の面をかぶって豆をまき始めました。
 「鬼は~内、福は~外。鬼は~内、福は~外」
 
          おじいさんは、わざとアベコベに叫んで豆をまきました。「鬼は~内、福は~外」
 
          もう、まく豆がなくなって、ヘタヘタと座り込んでしまいました。その時、おじいさんの家に誰かがやって来ました。
 
         「おばんでーす。おばんです」「誰だ? おらの家に、何か用だか?」
 おじいさんは、戸を開けてビックリ。
 「わあーーっ!」
 
          そこにいたのは、赤鬼と青鬼でした。「いやー、どこさ行っても、『鬼は~外、鬼は~外』って、嫌われてばかりでのう。
 それなのに、お前の家では、『鬼は~内』って、呼んでくれたでな」
 おじいさんは震えながら、やっとの事で言いました。
 「す、すると、おめえさんたちは節分の鬼?」
 
         「んだ、んだ。こんなうれしい事はねえ。まんずあたらしてけろ」と、ズカズカと家に入り込んで来ました。
 「ま、待ってろや。今、たきぎを持って来るだに」
 この家に客が来たなんて、何年ぶりの事でしょう。
 
          たとえ赤鬼と青鬼でも、おじいさんにはうれしい客人でした。赤鬼と青鬼とおじいさんが、いろりにあたっていると、またまた人、いえ、鬼が訪ねて来ました。
 
         「おばんでーす。おばんです」「『鬼は~内』ってよばった家は、ここだかの?」
 「おーっ、ここだ、ここだ」
 「さむさむ。まずは、あたらしてもらうべえ」
 ぞろぞろ、ぞろぞろ、それからも大勢の鬼たちが入って来ました。
 
          何と節分の豆に追われた鬼がみんな、おじいさんの家に集まって来たのです。「何にもないけんど、うんと温まってけろや」
 「うん、あったけえ、あったけえ」
 おじいさんは、いろりにまきをドンドンくべました。
 十分に温まった鬼たちは、おじいさんに言いました。
 「何かお礼をしたいが、欲しい物はないか?」
 「いやいや、何もいらねえだ。あんたらに喜んでもらえただけで、おら、うれしいだあ」
 「それじゃあ、おらたちの気がすまねえ。どうか、望みをいうてくれ」
 「そうかい。じゃあ、温かい甘酒でもあれば、みんなで飲めるがのう」
 
         「おお、引き受けたぞ」「待ってろや」
 
          鬼たちは、あっという間に出て行ってしまいましたが、「待たせたのう」
 
          しばらくすると、甘酒やら、ごちそうやら、そのうえお金まで山ほどかかえて、鬼たちが帰って来ました。たちまち、大宴会の始まりです。
 
         「ほれ、じいさん。いっペえ飲んでくれや」おじいさんも、すっかりご機嫌です。
 こんな楽しい夜は、おかみさんや息子をなくして以来、始めてです。
 鬼たちとおじいさんは、一緒になって大声で歌いました。
 
         ♪やんれ、ほんれ、今夜はほんに節分か。♪はずれ者にも、福がある。
 ♪やんれ、やんれさ。
 ♪はずれ者にも、春が来る。
 
 大宴会は盛り上がって、歌えや踊れやの大騒ぎ。
 おじいさんも鬼の面をつけて、踊り出しました。
 
 ♪やんれ、やれ、今夜は節分。
 ♪鬼は~内。
 ♪こいつは春から、鬼は内~っ。
 
 鬼たちは、おじいさんのおかげで、楽しい節分を過ごす事が出来ました。
 朝になると鬼たちは、
 
  また来年も来るからと上機嫌で帰って行きました。
 おじいさんは鬼たちが置いていったお金で、おかみさんと息子のお墓を立派な物に直すと、手を合わせながら言いました。
 
         「おら、もう少し長生きする事にしただ。来年の節分にも、鬼たちを呼ばねばならねえでなあ。
 鬼たちに、そう約束しただでなあ」
 
          おじいさんはそう言うと、晴れ晴れした顔で家に帰って行きました。 おしまい ※ この福娘童話集の「節分の鬼」は新作狂言の「鬼は内」として、和泉流狂言野村万蔵家にて講演されました。
 ・新作狂言「鬼は内」.txt
 ・新作狂言「鬼は内」のパンフレット.pdf
  隠しキャラの正解(キツネ、葉っぱウサギ)
 
  
 ささらとゆっくり昔話 第14話【節分の鬼】
 
 読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
 日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
 おまけささらと昔話講座 第14話【節分の鬼】
 
 読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
 知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。
 おまけささらと昔話講座 番外編03話【悪鬼伝承】
 
 
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  記念日イメージキャラ 福ちゃん イラスト「ぺんた」 ※無断転載禁止
   
 
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