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 1月28日の日本の昔話
 
  
 若返りの水
 
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 投稿者 「ちょこもち」  ちょこもち
 
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 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
 
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 制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
 
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 投稿者 「眠りのねこカフェ」
 
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 投稿者 「ぐっすり眠れる優しいおやすみ朗読」
 
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 投稿者 「眠るうさぎのささやく読み聞かせ」
 
 
  むかしむかし、山のふもとの小さな村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんの仕事は、炭焼きです。
 山の木を切って、炭を焼いて俵(たわら)に詰めて、近くの町ヘ売りに行くのです。
 でもおじいさんは、この頃年を取って仕事が辛くなりました。
 「ああ、腰は曲がるし、目はしょぼしょぼするし。・・・嫌になってしもうたなあ」
 
 その日もおじいさんは炭俵をかついで、ヨタヨタと山を下り始めました。
 とても暑い日だったので、喉がカラカラに渇きます。
 ふと見ると、道ばたに突き出た岩から、きれいな水がチョロチョロと吹き出していました。
 「こいつは、ありがたい」
 おじいさんは、その冷たい水を飲みました。
 とてもおいしい水です。
 「ああ、うまかった。何だか腰がシャンと伸びた様だぞ」
 おじいさんは水のおかげで元気が出たのだと思い、深く考えもせずに山を下りて家へ帰ってきました。
 「ばあさんや、帰ったよ」
 「おや、早かったですね。おじいさん・・・!」
 おばあさんはビックリ。
 目をパチパチさせて、おじいさんを見上げました。
 いいえ、おじいさんではなく、そこにいたのはおばあさんがお嫁に来た頃の、あの頃の若いおじいさんでした。
 「・・・わたしは、夢でも見ているんじゃあ、ないでしょうかね」
 おじいさんもおばあさんに言われて始めて、自分が若返っている事に気づきました。
 「若返りの水というのがあると聞いていたが、それではあれがその水だったんだな」
 おじいさんは岩から吹き出していた、きれいな冷たい水の事をおばあさんに話して聞かせました。
 「まあ、そんなけっこうな水があるんなら、わたしも行って頂いてきましょう」
 おばあさんはそう言って、次の日さっそく山へ出かけて行きました。
 おじいさんはおばあさんがさぞかし若くきれいになって、帰って来るだろうと楽しみにして待っていました。
 ところが昼になっても、夜になっても、おばあさんは帰ってきません。
 おじいさんは心配になって、村の人と山へ探しに行きました。
 でも、おばあさんはいません。
 「いったい、どこへ行ってしまったんだろうなあ?」
 「キツネに化かされて、山奥へ連れて行かれてしまったのとちがうか?」
 みんなが話し合っていると、
 「オギャー、オギャー」
 と、そばの草むらの中から、赤ん坊の泣き声が聞こえて来ました。
 おじいさんが近づいてみると、おばあさんの着物を着た赤ちゃんが、顔をまっ赤にして泣きじゃくっていました。
 「・・・馬鹿だなあ、ばあさんの奴。飲み過ぎて赤ん坊になってしもうた」
 仕方がないので、おじいさんは赤ん坊を抱いて家へ帰りました。
 おしまい        
 
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