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 4月24日の世界の昔話
 
 
  
 魔法のぼだいじゅ
 ロシアの昔話 → ロシアの国情報
 
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 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
 
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 投稿者 「眠りのねこカフェ」
 
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 投稿者 「天乃悠の朗読アート」   天乃悠の朗読アート
 
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 投稿者 「テツの朗読チャンネル」
  むかしむかし、ある村に、貧乏なお百姓(ひゃくしょう)さんがいました。「おお寒い! まきを探しに行こう」
 お百姓さんはオノを持って森へ行き、一本の大木を見つけました。
 「これは素晴らしい木だ! オノを当てると、コツコツといい音がする。これはぼだいじゅ(→おしゃかさまがさとりを開いたといわれるクワ科の常緑高木)だな」
 オノを振り上げ、切ろうとすると、
 「切らないで! 欲しい物は何でもあげるから」
 と、ぼだいじゅが、人間の声で言ったのです。
 「それじゃ、おれをほかのお百姓より金持ちにしてくれ」
 「家へ帰ってごらん。望みはかなってるよ」
 お百姓さんが帰ってみると新しい家にはウマがいて、小屋には食べ物が山ほどありました。
 「すごいや! 何と、おかみさんまでいるぞ! ・・・けど、あの顔は気に入らないや。そうだ、ぼだいじゅのところへ行って話してみよう」
 お百姓さんはオノを持って出かけ、ぼだいじゅの木をコンコンと叩きました。
 「何が、欲しいんだね?」
 「もっときれいなおかみさんにしておくれ」
 「家へ帰ってごらんよ」
 お百姓さんが帰ると、きれいなおかみさんが待っていました。
 お百姓さんは大喜びしましたが、でもすぐに次の欲しい物が心に浮かびました。
 「金持ちのお百姓にはなったが、村長になれたらもっといいなあ」
 お百姓さんはオノを持って、出かけました。
 「お百姓さん、今度は何が欲しいのかね?」
 お百姓さんは、ぼだいじゅの木に頼みました。
 「金持ちにはなったが、村長には頭があがらない。だから村長になってみたいんだよ」
 「家へ帰ってごらん。望みはかなってるよ」
 家に帰ると、一枚の紙が届きました。
 《お前を村長にする》
 お百姓さんは村長になったとたんに、もう次の欲が出て来ました。
 「おれは、貴族(きぞく)になってみたいなあ」
 お百姓さんはまた、森へ行きました。
 「おやおや、またか。何が欲しいんだね?」
 「偉い貴族になりたいなあ」
 「家へ帰ってごらん。望みはかなうよ」
 家に帰ると、王さまの使いが知らせを持って来ました。
 《お前を、貴族にする》
 貴族になると、すぐ次の欲が出ました。
 「王さまになりたいもんだなあ」
 お百姓さんは森へ出かけ、木を叩きました。
 「・・・今度は、何が欲しいのかな?」
 「王さまだ。何といっても、王さまは誰よりも偉いんだ。王さまにはなれないものかね?」
 木は、大きな声で怒鳴りました。
 「この欲張りめ! 金持ちの次は村長、村長の次は貴族、貴族の次は王さまだと! どうせ王さまの次は神さまだろう。これ以上望むと、お前は何もかもなくしてしまうぞ」
 お百姓さんは、貴族でがまんをしました。
 おしまい   
 
 
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