福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 3月の世界昔話 > ロバとおじいさん
3月14日の世界の昔話
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4770.JPG)
制作: 世界名作福袋 朗読 : 劇団SHOWA ひろみ&ポポコ 絵 : Taku
ロバとおじいさん
イランの昔話 → イランの国情報
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
制作: 世界名作福袋 朗読 : 劇団SHOWA ひろみ&ポポコ 絵 : Taku
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」
【本気で眠りたいあなたへ】眠くなる世界の昔話:楽しいとんち話
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
むかしむかし、とても正直者のおじいさんがいました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4740.JPG)
このおじいさんは、うそというものを知りません。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4741.JPG)
生まれてから一度も人を疑った事がないので、このおじいさんはよく人にだまされました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4765.JPG)
でもいくらだまされても、おじいさんはだまされたとは思っていないのです。
ある日、おじいさんは飼っているロバを連れて、市場へ買い物に出かけました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4742.JPG)
ところがドロボウたちがそれを見て、ヒソヒソとこんな相談を始めました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4743.JPG)
「おい。あの正直親父が通るぞ」
「ああ、今日はロバを連れているな」
「よし、あのロバを手に入れようじゃないか。みんな、ちょっと耳をかせ」
相談を終えたドロボウたちは、そっとおじいさんの引くロバの後ろへ忍び寄りました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4744.JPG)
でもおじいさんは、全く気がつきません。
何しろ世の中に悪者がいるなんて知らないのですから、ちっとも用心しないのです。
ドロボウたちはロバにつないであるたづなをほどいて、仲間の一人の首に結びつけました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4745.JPG)
そして他のドロボウたちは、さっさとロバを連れてどこかへ行ってしまいました。
しばらくすると、首にたづなをつけたドロボウが、道の真ん中で急に立ち止まりました。
おじいさんは前を向いたままグイグイたづなを引っ張りますが、ドロボウは全く動きません。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4771.JPG)
「おや、どうしたんだい?」
おじいさんが振り向くと、いつの間にかロバが人間に変わっています。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4746.JPG)
「うひゃー! ロバが人問に化けた!」
おじいさんはビックリして、腰を抜かしそうになりました。
するとドロボウは、悲しそうな顔で言いました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4768.JPG)
「おやさしいだんなさま、どうかそんなにビックリなさらないでください。
実はわたしは、もともとは人間だったのでございます。
ところがある時、わたしはたいそう悪い事をしてしまいました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4747.JPG)
その時、怒った母がわたしに、『ロバになっておしまい』と、言ったのです。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4748.JPG)
するとそのとたんに、神さまがわたしをロバに変えてしまわれました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4749.JPG)
それからロバになったわたしは、だんなさまに飼われる事となり、今まで長い間お仕えしてまいりました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4751.JPG)
ところがさっき、とつぜん魔法がとけたのです。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4768.JPG)
きっと神さまが、わたしをお許しくださったのでしょう。
ああ、うれしい。
わたしはやっと、人間に戻れたのです」
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4754.JPG)
この話を聞くと、正直者のおじいさんはポロポロと涙をこぼしました。
「それは気の毒な事をしました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4753.JPG)
そんな事とは知らず、わたしはあなたをこきつかったり、ムチで叩いたりしてしまいました。
どうか、許してください。
そして本当に長い間、よく働いてくれてありがとう」
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4756.JPG)
おじいさんはドロボウにおじぎをして、たづなをほどきました。
「さあ、これからは好きなところへ行って、幸せに暮らしてください」
「はい、ありがとうございます」
ドロボウは横を向いてニヤリと笑うと、急いで仲間のところへ走って行きました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4757.JPG)
次の日、おじいさんは市場へ新しいロバを買いに行きました。
ところが市場につくと、人間に戻ったはずのロバがおじいさんの顔を見てすり寄って来たのです。
するとおじいさんは、怖い顔で言いました。
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4762.JPG)
「この馬鹿者! また悪さをして、神さまにロバにされたんだろう。もうお前の顔なんか、見たくないよ!」
![ロバとおじいさん](../../../new/w_gazou/0314/IMG-4766.JPG)
制作: 世界名作福袋 朗読 : 劇団SHOWA ひろみ&ポポコ 絵 : Taku
おしまい
|