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      第 251話 
          
          
         
長い名前の子ども 
福井県の民話 → 福井県の情報 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
       むかしむかし、名田庄村(なたじょむら)という所に、ある夫婦がいました。 
 可哀想な事に、この夫婦の間に生まれた子どもはすぐに死んでしまうので、夫婦は和尚さんに相談をしました。 
 すると和尚さんは、 
「むかしから長い寿命には、長い名前がよいというぞ」 
と、言って、次に生まれた子どもに、こんな名前をつけてくれました。 
 
『とこへーとこへー、とこへーがーのーこ、へんめいしきしきしーがんじー、かみたば、かみたば、いっちょーぎりか、ちょーぎりか、ちょんちょこざいのてんもくそー、てきわてきそる、そうたかにゅーどー、はりまのべっとー、ちゃわんのちゃぽすけ、つけんのこうすけ』 
 
 長い名前のおかげか、生まれた子どもはすくすくと育ちました。 
 
 ある夏の日の事です。 
 大きくなった子どもが、友だちと一緒に川に泳ぎに行きました。 
 川は大雨が降ったあとだったので、水の勢いがとても急でした。 
 その為に遊んでいた子どもたちの多くが、川におぼれてしまいました。 
「大変だー! すぐに知らせてやらねえと!」 
 無事だった子どもたちはあわてて村に戻ると、おぼれた子どもの親に子どもがおぼれた事を伝えました。 
 そのおかげで、おぼれた子どもたちは次々と自分の親に助け出されたのですが、あの名前の長い子どもだけは、親に名前を伝えるのに時間がかかってしまい、助けるのが遅れておぼれ死んでしまったという事です。 
      おしまい 
       似たようなお話しが、長崎県にもあります。 
           
        → 寿限無 
         
       
        
 
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