|  |  | 福娘童話集 > 日本民間故事 > 091-120
 第 111話(日本民間故事 111)
 
  
 ま夜中の笑い声
 狸嘲
 
 ・日本語 ・日本語&中国語
 むかしむかし、武蔵の国(むさしのくに→埼玉県)に、タヌキやキツネのすみかとなっている古い城跡がありました。到好久以前這武蔵國的遺蹟荒廢、狐狸還有狸子就幫這裡佔了當了屋。
 
 その城跡の近くに山寺があり、ある晩、この山寺で連歌(れんが)の会が開かれました。
 城跡邊上還有個老廟、晚上一廟的和尚卵㫘事作就天天對對子。
 
 連歌と言うのは、和歌の上の句と下の句を次々と読み続けて行く遊びです。
 這對對子就是你一句我一句哪個先接不出來就算哪個輸。
 
 さて、この連歌の会に集まった人の中に、連歌作りが下手な男がいました。
 自分が句を読む番が来ても、
 裡面有一條和尚不喜歡搞這案子、但是硬是被人拉過來湊人頭。
 一等輪到他這就不曉得講甚麼了。
 
 「・・・あの。・・・その。・・・えーと」
 と、考え込むばかりで、すぐに言葉が出てきません。
 想半天也㫘想出條甚麼碌頭。
 
 そのために、みんなはイライラしていました。
 (まったく、まだ考えているのか?)
 (あいつがいると時間がかかるばかりで、ちっとも面白くねえ)
 這時大家又都開始摧、喊他七步幫詩成了、一個個樣子都不好耐煩。
 
 待ちくたびれたみんなは別の部屋へ引き上げたり、便所に行ったまま戻ってこなかったりして、だんだんと人数が少なくなっていきました。
 後面直接是去上廁所的人都有了、屋裡面的人則是越來越少。
 
 それでも下手な男は腕を組み、首をひねりながらいつまでも考え込んでいます。
 但男的還過就到作死想這下句要怎麼接、雙手抱到到那裡思考。
 
 やがて夜中の二時を過ぎた頃、どこからともなく、
 「あっはっはっは」
 と、不気味な笑い声が聞こえてきました。
 這時間就騃到了大半夜、人還到原地不動到那裡想、突然就聽到一陣陰森的怪笑。
 
 そこにいた者たちは、ビックリです。
 一屋子的人開始變得怕起來了。
 
 笑い声はだんだん大きくなり、隣の部屋から聞こえて来るのが分かりました。
 「よし、わしが確かめてやる!」
 最後聲音是越來越大、地方聽清楚了好像就是隔壁、有條膽子大的傢伙就講他要去探虛實了。
 
 気の強い男が、隣の部屋のふすまを開けました。
 でもそこには、歌会を抜け出した人たちが静かに眠っているだけでした。
 直接門一拉、這不就剛才出去的那些人等不到了直接先睡了啊、一排排躺到的。
 
 「おかしいな?」
 みんなが顔を見合わせたとたん、
 「あっはっはっは」
 と、笑い声が火ばちの中から聞こえて来ました。
 這怪事啦、不像是他們啊、這時就笑聲再出、這次是從火盆邊上傳來。
 
 急いで中を調べましたが、とくに変わった物はありません。
 就又到碳裡面刨啊刨、㫘看到甚麼異象啊。
 
 でも、よく調べてみると、笑い声は火ばちの下の床下から聞こえて来るようです。
 「さては、キツネかタヌキの仕業か?」
 又繼續等到聲音來豎到耳朵好生聽、這次確定了、不是到火盆裡面、而是放火盆的地板底下有聲音到。
 裡面鑽條狸子還是狐狸進去啦?
 
 そこで思い切って、床板をはがしてみました。
 そのとたんに、床下から黒いイヌのような物が飛び出しました。
 「うひゃー!」
 眾人為一探究竟、直接開始下板子了。
 這就地板一揭、一條黑黑的像狗一樣的傢伙跳出來了。
 
 みんなが後ろへ下がると、黒い物は仏壇(ぶつだん)の中へ飛び込みました。
 大家本能的一避、又看到別個跳到進了神桌裡面去了。
 
 「今のは、キツネか?」
 「いや、タヌキかもしれないぞ」
 「そうじゃない。あれはきっと、お化けだ」
 是狐狸還是狸子你們剛剛看清楚不?
 不曉得啊、這不是狸子就是狐、而且聽它笑聲絕對成了精。
 
 その騒ぎに寝ていた人たちも起き出してきて、一緒に仏壇の中を調べてました。
 這動靜一大又是驚醒了好多人、現在要移下子貢桌到裡面翻下子去了。
 
 でも何も変わったところはなく、それっきり笑い声は聞こえて来ませんでした。
 又是逽來逽去、但最後卻是徒勞無功啦、可能也是打草驚蛇了、後面就過㫘聽到人繼續發出怪聲。
 
 「こうなれば連歌読みは終わりにして、お化けの正体を確かめよう。外へ逃げた様子はないから、この部屋の中にいるはずだ」
 みんなは戸締まりをすると、夜が明けるのを待ちました。
 但這案子既然已出、就講一定要先幫這條傢伙抓到起來、門既然已經鎖死了那它肯定就還到屋裡、我們這就直接等天亮、幫門窗甚麼全都關起來守到它。
 
 中でも自分の歌が遅いのをお化けにまで笑われてしまった男は、必ずそいつを捕まえてやろうとはりきっていました。
 然後最想捉到這傢伙的人還是過來湊數的那條傢伙、因為他覺得這是別個妖怪都到嘲笑自己。
 
 やがて夜が明けたので、みんながもう一度仏壇を調べてみると、お供え物のまんじゅうがすっかりなくなっていて、花びんが倒れたままになっていました。
 終於等到天亮、眾人又是首先翻了次貢桌、上面的貢品這就已經不見消失了去、放邊上的花瓶也被打倒、斜地上的。
 
 「食い物を持っていくところをみると、やっぱりキツネかタヌキだろう。しかし、どこへ逃げたのやら」
 既然是偷東西吃那就更說明就是野獸之流、這不是狸子就是狐了、就是講不曉得跑哪裡去了。
 
 みんなが順番に仏壇をのぞきこみ、最後に歌読みの下手な男がのぞきこんだとたん、目の前の仏像がいきなり口を開けて、
 「あっはっはっは」
 と、笑い出したのです。
 「で、でた!」
 突然の出来事に、みんなは腰を抜かさんばかりに驚きました。
 都講昨天看到那條黑影上到貢品桌後就不見去、一個個也就全都到邊上逽、等到湊數的那條這就也上前、貢台被貢到的大佛過一下笑起了聲。
 這案子一出又是幫眾人駭得一彈。
 
 あの歌読みの下手な男などは、転がるようにして部屋の外へ逃げ出しました。
 それを見た仏像は、ますます大笑いです。
 それでも、気の強い男が、
 湊數這貨更是怕直接亡了自己狗命、屋裡都不敢留了、門一拉跑外頭去了。
 看到這貨一跑佛像則是笑的更加大聲。
 有條膽子大的和尚這就疑。
 
 (仏像が笑うはずがない。きっと、何かが化けているに違いない)
 想這佛像會笑怪事啊、肯定就是甚麼條傢伙變的到玩人。
 
 と、長い棒を持って来て、仏像の頭をなぐりつけようとしました。
 直接取到條棒頭過來對到佛祖就是當頭一棒。
 
 そのとたん、仏像はタヌキの姿になって外へ飛び出して行きました。
 一下佛祖破了功、變成條狸子躥逃了。
 
 それから一人で家に逃げ帰った歌読みの下手な男は、タヌキにまでバカにされたことをはずかしがって、もう二度と連歌を読まなくなったという事です。
 後面就講膽子小跑路的這條貨啦、以後的任何這類跟詩歌有關的活動自己都不參加了、畢竟連這連狸子都跑過來笑自己實在是搞傷到的。
 おしまい结束
   (回到上一页)
 
 
 |  |  |