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8月30日の小話

大食らいの三太郎

大食らいの三太郎

 若者たちが六、七人、それぞれ食べ物を持ちよって宴会(えんかい)をすることにしました。
 ところが大食らいの三太郎(さんたろう)は小さなにんじんを一本持ってきただけなのに、どっかと大なベの前に座り込んでガツガツと食べています。
 ほかの若者たちは、おもしろくありません。
 そこで、若者の一人が、三太郎に言いました。
「よう、三太郎」
「なんだい?」
「この頃は夜になると、おいはぎ(→ごうとう)が出るそうだ。ぶっそうだから、お前はもう帰れ」
「そうか。それなら帰ろう」
 三太郎は、あっさりと帰りました。

「やれ、やれ、これで安心だ」
「あの大食らいがいなくなったから、たんまり食えるぞ」
 若者たちが食べ始めようとすると、ガラリと戸が開いて三太郎が戻ってきました。
 驚いた事に、三太郎は素っ裸です。
「お前。もう、おいはぎにやられたのか?」
 若者たちが心配して聞くと、三太郎落ち着いて言いました。
「ちがう、ちがう。おいはぎにあっても大丈夫なように、家に着物を脱いで来たんだ。さあ、食うぞ」

おしまい

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