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 12月18日の日本の昔話
 
  
 稚児岩(ちごいわ)
 秋田県の民話→ 秋田県情報
 
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 投稿者 「ちょこもち」  ちょこもち
 
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 投稿者 「癒しの森っ子」
 
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 投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
  むかしむかし、深沢山(ふかざわやま)と呼ばれるあたりを、どこかの国の殿さまの行列が通りました。ちょうど秋晴れの気持ちの良い日だったので、殿さまは馬の背中であたりの景色を楽しんでいました。
 
 殿さまがふと上を見上げると、そばの崖っぷちの上の方に大きな岩があります。
 それを見て、殿さまが言いました。
 「だれか、あの岩を登れる者はおらんか?」
 「・・・・・・」
 「うん? だれか、おらんか?」
 「・・・・・・」
 家来たちはだまったまま下を向いているばかりで、誰一人名乗り出る者はいません。
 それもそのはず、もしあんな高いところから滑り落ちでもしたら、命がなくなるからです。
 するとその時、どこからか一人の子どもが現れて、殿さまに言いました。
 「お殿さま。わたしが登ってみせますよ」
 子どもはみんなの見ている前で着物のすそをまくったかと思うと、まるでサルのように険しい岩をするすると登っていったのです。
 それを見た殿さまは、大喜びで言いました。
 「見事、見事じゃ」
 殿さまはさっそく、子どもにたくさんのほうびをとらせました。
 
 この子どもは深沢山のお堂に住む稚児(ちご)だったので、それからはこの大岩を『稚児岩』と呼ぶようになったそうです。
 おしまい   
 
 
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