むかしむかし、あるところに、まじめなクツ屋がいました。 
 「ああ、これでクツを作るのも最後か」 
   クツ屋はその最後の皮をクツの形に切って、その日は寝てしまいました。 
   何とクツが一足、ちゃんと出来上がっていたのです。 
 クツ屋はそのお金で、二足分の皮を買いました。 
 そしてその皮をクツの形に切ったところで、 
 また寝てしまいました。 
   すると次の日の朝にも、立派なクツが二足出来上がっていました。 
   二足のクツが四足になり、四足が八足、八足が十六足、十六足が三十二足・・・と、どんどんクツが増えていったのです。 
   誰があの素晴らしいクツをつくっているのか、確かめようと思ったのです。 
   二人の小人は小さな手で素早く皮をぬい、叩いて形を整えると、あっと言う間に素晴らしいクツを作り上げました。 
  「ねえ。クツをつくってくれたお礼に、あの小人たちに服をぬってあげようと思うの。 
 すると小人たちは大喜びで服を着て、 
 そこら中を飛びはねながら歌いました。 
  ♪これで、ぼくらは可愛い小人。 
 小人はいなくなりましたが、それからもクツ屋のクツは飛ぶ様に売れ続けて、クツ屋は幸せに暮らす事が出来たのです。 おしまい  | 
    
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