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7月18日のイソップ童話
  
  
  
  おじいさんと死神
   ある日、一人のおじいさんが山でたきぎをたくさんあつめて、よいこらさと背なかにしょいました。
   家が遠いので、長い長い道をそうやって、歩いていかなければなりませんでした。
   おじいさんはすっかりくたびれて、とちゅうでいったん荷物をおろしました。
  「やれやれ、いっそ死に神がむかえにきてくれないかなあ。おーい、死神やーい」
   おじいさんがこう呼びますと、たちまち死神があらわれて、
  「わたしを呼んだのは、なんのためかな」
  と、たずねました。
   死神のこわい顔を見たとたんに、おじいさんは気よわになって、
  「いえいえ、なに、この荷物をしょいなおすのに、ちょっと手を貸して下さればいいんで・・・」
  
   このお話しは、人間はたとえどんなに貧乏でつらいくらしをしていても、死ぬよりは生きているほうがましだとおしえています。
おしまい