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8月12日のイソップ童話
  
  
  
ライオンとウシ
    あるライオンが、たいそう大きなウシを殺そうとたくらんで、だまし討ちの計画を立てました。
    ライオンはウシに、
  「神さまにそなえるために、ヒツジを殺したから、きみもお祭りの宴会にきたまえ」
  といって、さそいました。
    じつはウシがやってきて、テーブルについたら殺そうと考えていたのです。
    ウシはやってきました。
    しかし、そこに大皿や長い焼き串はたくさんあるのに、ヒツジがぜんぜん見えないことに気がつくと、ひとこともあいさつしないで、すぐにかえろうとしました。
    ライオンは、
  「きみ、失礼じゃないか。気を悪するようなことは、なんにもしていないのに、なぜだまってかえってしまうのだ」
  と、なじりました。するとウシは、
  「いや、これにはちゃんとわけがある。ここにならんでいるのは、ヒツジではなくてウシを食べるための準備だからさ」
  
    この話は、かしこい人は悪人の計画には引っかからない、ということをおしえています。
おしまい