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2月9日のイソップ童話
  
  
  
石を引き上げた漁師
    猟師たちが、地引き網をひいていました。
    かなり手ごたえがあるので、
  「今日は大漁だぞ」と、みんなよろこんでいました。
    ところが、いざ陸にあげてみると、アミの中にはほんの少しの魚しかいません。
    手ごたえがあったのは、石ころがいっぱい入っていたからです。
  「こんなひどい話があるものか」
    猟師たちはくやしがりましたが、1人の年とった漁師がみんなにいいました。
  「なあ、みんなクヨクヨするのはやめよう。『よろこびは悲しみの兄弟』というじゃないか。さっきよろこんだんだから、こんどは不愉快な目にあうのはとうぜんだ。でも、こんどは良いことがあるよ」
  
    世の中はそんなものです。どんなに良いお天気でも急に雨が降ることがありますし、そのはんたいもあります。
おしまい