福娘童話集 > きょうの世界昔話 福娘童話集 きょうの世界の名作・昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 4月の世界昔話 > ヒヨコ星

4月10日の世界の昔話

ヒヨコ星

ヒヨコ星
タイの昔話 → タイの国情報

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」  【眠くなる女性の声で読み聞かせ】優しい世界の昔話集(睡眠朗読)

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
ひよこのかおひよこのかお

♪音声配信(html5)
音声 まちゃりんの読んだり〜の♪

 むかしむかし、ある町はずれの畑の中に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
 二人の家は小さくて、持ち物は一羽のメンドリだけでした。
 しばらくして、メンドリは六つのタマゴを生みました。
 六つのタマゴは、六羽の可愛いヒヨコになりました。
「さあ、お母さんのあとについておいで」
 メンドリは大喜びで、ヒヨコたちの世話をしました。
 タカやトビなど、怖い鳥たちにさらわれない様に気をつけて、大事に大事に育てました。

 ところが、ある晩の事です。
 メンドリがヒヨコたちを寝かしつけていますと、こんな話し声が聞こえてきました。
「ばあさんや、明日から村でお祭りがあるそうじゃ。わしらもお祭りに行きたいが、神さまヘのお供え物をどうしよう?」
「本当にどうしましょう? わたしらは貧乏で、物を買うお金もありません。でも、お祭りに何も神さまにお供えしなかったら、ほかの人たちに、けちん坊と思われるでしょうね」
 おじいさんとおばあさんは、お祭りのお供え物の相談をしていたのです。
 そしてとうとう、おじいさんが言いました。
「どうだろう。一羽しかいないが、あのメンドリをお供えしたら」
 おばあさんは、悲しそうにうなずきました。
「そうですね。ヒヨコたちが可愛そうですけど、それしかないですね」

 二人の話を、メンドリはみんな聞いていました。
 明日は、小さな子どもたちを残して死ななければなりません。
 メンドリは、ヒヨコたちに言いました。
「可愛い子どもたち、明日、お母さんは死ななければならないの。
 お願いよ、お母さんがいなくなっても、お前たちはけんかせずに、仲良く暮らしなさいね。
 食べ物を見つけたら、いつでも一緒に食べてね。
 決して、離ればなれにならないでね。
 それから、家の外に出たりしちゃだめよ。
 怖いイヌがいるからね」
「いやだよ! お母さん。どうして死ななくちゃならないの?」
 ヒヨコたちが、泣き出しました。
 お母さんも、泣き出したいのをがまんして、
「おじいさんとおばあさんが、わたしの肉を神さまにお供えすると話していたの。
 死ぬ事は怖くないけれど、小さなお前たちを残して行くのが心配で。
 それからそうだわ、どんなに遊びたくなっても、空き地へは出て行かないと約束して。
 タカやトビに狙われるからね。
 それから・・・」
と、ひと晩中、ヒヨコたちに色々な事を言い聞かせました。

 次の日、おじいさんは朝早く起きると、すぐにメンドリを殺しました。
 それから羽をむしる為に、グラグラ煮えたお湯の中にメンドリを投げ込みました。
 それを見ていたヒヨコたちは、もうジッとがまんしている事が出来ません。
「お母さん、今すぐ、ぼくたちも行くからね!」
「天国に行っても、一緒にいようね!」
 ヒヨコたちは小さな羽をはばたかせると、次々と、お湯の中へ飛び込んでいきました。

 この可愛そう鳥たちの様子を、天の神さまが見ていました。
「何という、美しい母と子の心だろう。
 お前たちがいつまでも一緒にいられるよう、星に生まれかわらせてやろう」
 こうして、お母さんと六羽のヒヨコたちは、夜空にきらめく七つの星になりました。

おしまい

前のページへ戻る


     4月10日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
駅弁の日
きょうの誕生花
チューリップ(tulip)
きょうの誕生日・出来事
1976年 木村佳乃 (女優)
恋の誕生日占い
男の子以上にボーイッシュでかっこいい女の子
なぞなぞ小学校
甘くて柔らかい寺は?
あこがれの職業紹介
スーパー店員
恋の魔法とおまじない 101
幸運のお守り
  4月10日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
かるい帰り道
きょうの世界昔話
ヒヨコ星
きょうの日本民話
げんこつのほうび
きょうのイソップ童話
2つのつぼ
きょうの江戸小話
試し切り
きょうの百物語
逆立ち幽霊

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ