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第 295話

大石を動かす方法

大石を動かす方法
鹿児島県の民話鹿児島県情報

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 むかしむかし、薩摩の国(さつまのくに→鹿児島県)に、とんち名人がいました。

 以前、かけじくのウグイスを鳥かごに入れて欲しいという殿さまの難問をとんちで見事に返したとんち名人は、殿さまに気に入られて殿さまのお供に加わっていました。

 そんなある日の事、殿さまの一行が田舎道を歩いていると、畑の大石を動かそうと村人たちがわいわい騒いでいるのに出会いました。
 それを見た殿さまが、とんち名人に言いました。
「これ、お前のとんちで、あの石を動かせんか?」
 突然の言葉に、とんち名人は頭をかきながら言いました。
「殿、いくら何でも、それは無理でございます」
「なんだ、出来ぬのか。お前のとんちも、あてにならんな。あれくらいの石が動かせんとは」
 そう言われると、とんち名人もだまっていられません。
「分かりました。その代わり殿にも、少しばかりの手助けをお願いします」
「ほう、出来るのか? よしよし、ならば手伝ってやろう」
「はい、お願いします」
 とんち名人はそう言って、大石の横に四つんばいになりました。
「さあ、殿。手伝いをお願いします」
「うむ。それで、どうしたらよい?」
「簡単な事です。ただその石を、わたしの背中に乗せてくだされば」
「なぬ!?」
「乗せてくだされば、あとはわたしが運びますので。ささ、殿、手伝いをお願いします」
 これには、殿さまも困りました。
「まいった、まいった。お前のとんちにはかなわぬわ」
 こうしてとんち名人は、ますます殿さまに気に入られたのでした。

おしまい

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