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      第 288話 
          
             
         
里芋の娘の帯解き 
千葉県の民話 → 千葉県の情報 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
      
       むかしむかし、里芋のお母さんが七歳になる娘の帯解き(→着物の付けひもをとって、初めて普通の帯を締める祝い)のお祝いをしようと、近所の家々を回って歩きました。 
         
 お母さんは初めに、ネギのところへ行ったのですが、 
「すみません。昨日から風邪を引いてしまい、行けないのですよ」 
と、ネギは、青白い顔で言いました。 
 
 次にお母さんは、ゴボウの所に行ってみたのですが、 
「悪いけど、今はスス払い(すすはらい→年末の掃除)してるので、行けないのですよ」 
と、ゴボウは、ほこりでまっ黒な顔で言いました。 
 
 次にお母さんが、ニンジンの所へ行ってみると、 
「ついさっき顔を大やけどしてしまい、それどころじゃないんですよ」 
と、ニンジンは、まっ赤な顔で言いました。 
 
 どの家でも断られた里芋のお母さんは、ガッカリしながら最後に大根の所に行きました。 
 すると大根は、まっ白にお化粧をして、 
「今日は、お日柄も良いし、本当におめでとうございます」 
と、喜んで、帯解きに呼ばれていきました。 
 
 この時からです。 
 ネギは青白く、ゴボウは黒く汚れて、ニンジンはまっ赤で、大根はまっ白なのは。 
      おしまい 
         
       
        
 
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