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第 146話

切れなかった腕

切れなかった腕
三重県の民話三重県の情報

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 むかしむかし、国束山(くづかさん)に、国束寺というお寺がありました。
 そのお寺に、秀観(しゅうかん)という名前の、とても素晴らしい和尚さんがいました。
 その秀観和尚さんに会いたいと、お寺が山頂にあるにもかかわらず、毎日多くの人が訪れるほどです。

 さて、ある年の冬の事、山で仕事をしている村人が、
「こう寒くては、手がかじかんで仕事にならない」
と、たき火をして暖まる事にしたのですが、突然の強風に火の粉が舞って、山火事になってしまったのです。
「和尚さん、大変です! 火の手が上がりました!」
 たちまち国束寺では、火を消し止めようとする人や動転して大声で叫ぶ人たちで、境内は大騒ぎとなりました。
 その時、秀観和尚さんは、この十一面観音像がまつられているお寺だけは燃やしてはならないと思い、
「仏さま、どうか寺をお守り下さい! 寺の代わりに、わたしの手を差し出しますので!」
と、和尚さんは刀を取り出すと、自分の腕を切り落とそうとしたのです。
 しかし不思議な事に、和尚さんの手はどんなに刀で斬りつけても、切れる事はありませんでした。
 そして、あれほど強かった風がぴたりと止んで、火の勢いはどんどん小さくなり、寺は焼けずにすんだのです。
 それからみんなは、
「和尚さんの信心(しんじん)が、寺を救ってくれたのだ」
と、より一層、和尚さんを敬い、さらに多くの人が和尚さんに会うためにお寺へとやって来たそうです。

おしまい

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