福娘童話集 > きょうの日本民話 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本民話 > 5月の日本民話 > 娘の生まれかわり

5月13日の日本民話

娘の生まれかわり

娘の生まれかわり
東京都の民話東京都情報

♪音声配信(html5)
朗読者 : エクゼムプラーロ

 むかしむかし、江戸(えど→東京都)の神田(かんだ)の町に、善八(ぜんぱち)という旅の好きなお年寄りがいました。

 ある年の春の事、旅に出た善八が大阪から奈良に向かっていると、十六、七の娘が走って来て、善八の前まで来るとバッタリと倒れてしまったのです。
 ビックリした善八は、あわてて娘を抱き起こそうとしましたが、娘はすぐに気がついて、こんな事を話しはじめたのです。
「わたしは、伊勢(いせ)の染(そ)めもの屋の娘です。
 おつかいの帰りにならず者たちにつかまって、大阪へ売られるところでした。
 すきを見て、ここまで逃げてきたのです。
 どうか、お助けください」
 娘は涙を流しながら、そう言うのです。
 このままここにいては、いつならず者たちがやって来るかわかりません。
 善八は次の宿場(しゅくば)でカゴ屋を頼むと、娘を家まで送って行きました。
 娘が帰って来た事を知った両親は大喜びすると、善八を家に泊めて大変なもてなしをしてくれました。

 次の日の朝、善八が旅の支度をしていると、元気になった娘がやって来て言いました。
「ご恩を忘れないためにも、ぜひ、何か身につけているものをわたしにください。
 それをあなたさまと思って、朝夕、感謝を込めておがみ、お礼を申し上げます」
と、言うのでした。
「そうかい。しかし身につけている物と言っても、これぐらいしかないが」
 善八はお守りの袋に入れてある、浅草(あさくさ)の観音(かんのん)さまの紙のお札(ふだ)を娘に手渡しました。
 そして奈良へは行かずに、江戸へ戻って来たのです。
 すると留守の間に、息子のお嫁さんが男の子を産んでいました。
 善八が帰ってきた日は、ちょうど初孫のお七夜(しちや)でした。
 ところがどうした事か、孫は生まれた時から左の手をにぎりしめたまま泣き続けているというのです。
「どれどれ。なぜ、そんなに泣くのじゃ。ほれっ、わしがおじいちゃんだよ」
 善八が泣き続ける孫を抱き上げると、不思議な事に孫はピタリと泣くのをやめて、にぎりしめていた赤い手を開いたのです。
「おや、何か持っているぞ。はて。これは何じゃな? ・・・ああっ!」
 孫が手の中ににぎっていたのは、何と浅草の観音さまの紙のお札だったのです。
 善八が伊勢の染めもの屋の娘に手渡した、あのお守りの紙のお札でした。
 しかも善八が持っていた物と、はしのやぶれ方も同じです。
 善八はビックリして、旅での出来事を家の者たちに話しました。
 あまりにも不思議な事なので善八がすぐに娘に手紙を書きますと、折り返し染めもの屋から返事が来ました。
 娘の両親からの手紙には、何と善八が帰って間もなく、娘は急な病で亡くなったと書かれていました。
 後から調べてみると娘が息をひきとった明け方の五時は、善八の初孫が生まれた時刻とピッタリ同じです。
「この子は生まれる前の世で、あの娘からこのお札を手渡されたんだ。この子は男の子だが、あの娘の生まれかわりかもしれないな」
 善八はそう言うと、ジッと初孫の顔を見つめていたという事です。

おしまい

前のページへ戻る


     5月13日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
愛犬の日
きょうの誕生花
ボロニア(Boronia)
きょうの誕生日・出来事
1965年 太田光 (タレント)
恋の誕生日占い
嘘や隠し事が嫌いな、真面目な優等生
なぞなぞ小学校
一年に、一度しか見る事が出来ない夢は?
あこがれの職業紹介
エッセイスト
恋の魔法とおまじない 134
男の子をひきつけるおまじない
  5月13日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
地獄のあばれもの
きょうの世界昔話
死神の名づけ親
きょうの日本民話
娘の生まれかわり
きょうのイソップ童話
けちんぼう
きょうの江戸小話
泥棒の泥棒
きょうの百物語
おりょう坂
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト -さくら-
誕生日占い、お仕事紹介、おまじない、など
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識