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 6月20日の小話 
 どうでも、しやぁがれ   あるところに、大変いせい(→勢いや元気があるようす)のいい男がいました。
 この男、いせいはいいし、たんか(→言葉に切れ味がある)は切れるし、なかなか元気がよいのですが、ただ一つの欠点があります。
 それは、カミナリが大の苦手だという事です。
 
 ある日の事、男がぶらぶらと涼みに出かけると、急に空がくもって、
 ♪ゴロゴロー
 ♪ガラガラー
 と、今にもカミナリが落ちそうな空になりました。
 「ひぇーー!」
 男は真っ青になり、すぐに逃げだそうとしましたが、腰が抜けて逃げるに逃げられません。
 すると男はやけくそになって、道に大の字に寝転がって天をにらむと、
 「ええい。こうなったら、どうにでもしやがれ!」
 と、言いました。
 
 カミナリ嫌いな人は、みんなこんなものでございます。
 ♪ちゃんちゃん(おしまい)
   
 
 
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