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      9月19日の日本の昔話 
          
          
         
  仏さまに失礼 
  犯著佛祖 
       
      福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11) 
      
      
      むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。 
      頭擺頭擺,有一個安著一休个細沙彌,因為當伶俐非常出名。 
       
      一休さんのとんちには、さすがの和尚(おしょう)さんもかないません。 
      一休个伶俐,就連和尚師父都輸佢。 
        
      けれど和尚さんは、  
      「いっぺんでもよいから、一休をへこませてやりたいもんじゃ」 
      と、いつも思っていました。 
      
      但係和尚師父總係想:「還想一休認輸,哪怕一擺也好。」 
       
      ある晩の事、よい事を思いついた和尚さんは、一休さんに用事を言いつけました。 
      某一日暗晡,忽然間和尚師父想著一隻當好个辦法,就吩咐一休一件事情,
        
      これ、一休や。 
          「噯,一休啊。  
       
        わしはうっかりして、本堂のローソクを消すのを忘れてしもうた。 
          𠊎無小心,毋記得摎臘燭火舞烏忒。  
       
        火を出しては仏さまに申し訳ないから、消してきておくれ」 
          若係火燒屋,對毋起佛祖,所以你去摎蠟燭火舞烏忒佢。」  
       
      「はーい」 
      「好。」
        
      一休さんは大急ぎで本堂へ行きましたが、ローソクの台が高くて手が届きません。 
          一休煞煞走去大殿,但係燭台昶高了,手伸毋到。  
       
        そこで一休さんは高く飛び上がって、 
          所以,一休跳了當高,  
       
        「ふーっ」 
          と、息で吹き消したのです。 
          「fu53」 
          聲,出力摎蠟燭火歕烏忒。  
       
        やがて部屋へ戻って来た一休さんに、和尚さんがたずねました。 
          無幾久和尚師父就問倒轉來个一休:  
       
        「おお、ご苦労じゃったな。じゃが、あんな高い所の火を、どうやって消したのじゃ?」 
          「哦,辛苦哪。毋過,火在恁高个位所,你仰般舞烏忒呢?」  
       
        「はい、ピョンと飛び上がって、息で吹き消しました」 
          「係,𠊎跳起來,摎佢歕烏忒。」  
       
      その言葉に、和尚さんはニヤリと笑うと、 
      對一休个回答,和尚師父笑咪咪講:
        
      「馬鹿者!仏さまに息を吹きかけるとは、なんと失礼な!もう二度と、するでないぞ!わかったな!」 
          「戇牯!對等佛祖歕,仰恁無禮貌!下二擺做毋得恁樣,知無!」  
       
        と、初めて一休さんをしかりつけたのです。 
          就恁樣,和尚師父第一擺責備一休。  
       
        「すっ、すみません・・・」 
          「失‧‧‧失禮!」  
       
      一休さんをへこませた和尚さんは、してやったりと得意顔です。 
      赢了一休个和尚師父,非常得意、笑咪咪。
        
      さて次の日、和尚さんが本堂でお経をあげていると、何だか後ろの様子が変です。 
          第二日,和尚師父在大殿念經時節,仰會後背情况有點奇怪。  
       
        和尚さんがふと振り返ってみると、なんと一休さんがお尻を向けて座っているではありませんか。 
          和尚師父忽然間斡頭去看,一休仰會無跟在後背共向坐呢?  
       
        「ふん。いくらとんち上手でも、やはり子どもじゃ。昨日しかられたので、すねておるんじゃな」 
          「fun!不管有幾聰明,還係一個細人仔,昨晡日分𠊎罵,就使性了。」  
       
        和尚さんは、そう思い、 
          和尚師父恁樣想,  
       
        「これ一休。お経をあげる時は、仏さまの方を向かんか。行儀が悪いぞ」 
          「噯一休啊,你念經个時節面無向佛祖嘎?恁樣當無禮貌。」  
       
        と、得意そうに注意をしました。 
          當得意樣提醒一休。  
       
      すると一休さんは、待ってましたとばかりに言いました。 
      等佢講煞,一休黏時接等應講:
        
      「和尚さん。 
          「和尚師父,  
       
        仏さまの方を向いてお経をあげては、息がかかりますよ。 
          若係對等佛祖念經,氣會噴到佢。  
       
      仏さまに息を吹きかけるのは失礼だと、和尚さんが言ったではありませんか?」 
      師父毋係講過,對等佛祖歕氣會犯著佛祖咩?」
        
      それを聞いて、和尚さんはポリポリと頭をかきました。 
      聽著佢恁樣應,和尚師父頭那爪到gid gid guag guag。 
        
      「・・・いや、これはやられたわい」  
      「・・・毋係,這下慘了又輸忒了。」
      おしまい 
        煞咧  
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