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9月15日の日本の昔話


イラスト　緑風 ひお

天の羽衣
仙女衫

福妹日本童話集 (臺灣客語．海陸腔) 翻譯：鄧文政(ten33 vun55 zhin11)

むかしむかし、山のすその村に、いかとみという狩人(かりゅうど)が住んでいました。
頭擺頭擺，某座山脚下个村莊肚，一個安到伊卡道米(ikatomi)个獵人戴在該。

よく晴れた、春の朝の事です。
在天時當好个春天朝晨頭所發生个事情。

「やあ、いい朝だなあ」
「唉哦，天時恁好个朝晨頭哪！」

いかとみが空を見上げると、すみきった青空に白いかすみのような物がいくえにもたなびいているのが見えました。
伊卡道米(ikatomi)臥起頭那看天頂，看著藍藍个天空有像白雲樣个東西在該飛來飛去。

「あっ、あれは白鳥か？八羽もいるぞ」
「啊？該係天鵝無？有八隻哦。」

すると湖で泳いでいるのは白鳥ではなく、今まで見た事もないほど美しい八人の乙女たちだったのです。
佢正知在陂塘肚泅水个毋係天鵝，係八個從生人毋識看過、像仙女恁靚个細妹仔。

「なんてきれいな着物だろう。これはきっと、天女(てんにょ)の着る羽衣(はごろも)にちがいない。

「還靚个衫褲啊，這定著係仙女著个仙女衫，無毋著。

持って帰って、家宝(かほう)にしよう」
带轉去，做傳家寶。」

やがて水浴びをしていた天女たちは水からあがると、羽衣を身につけて空に舞い上がっていきました。
過無幾久，該兜洗身仔个仙女洗好䟘起來，著等仙女衫飛上天頂了。

でも１人の天女だけが、その場に取り残されてしまいました。
但係有一個仙女，留在當場。

いかとみが彼女の羽衣を取ってしまったため、天に帰れないのです。
因為伊卡道米(ikatomi)摎厥衫褲偷走了，佢無法度轉去天頂。

「まあ、うれしい。ありがとうございます」

「啊，還歡喜，非常承蒙。」

にっこりと微笑む天女にすっかり心をうばわれたいかとみは、羽衣を返すのを止めました。
但係，分這個開容笑面个仙女迷著个伊卡道米(ikatomi)，嗄毋盼得摎仙女衫還仙女。

「この羽衣は返せません。それよりも、わたしの妻になってください」

「𠊎做毋得摎仙女衫還你，顛倒，𠊎愛討你做餔娘。」

天女は何度も返して欲しいと頼みましたが、いかとみは返そうとしません。
仙女再三拜託伊卡道米(ikatomi)摎衫還佢，但係伊卡道米(ikatomi)還係毋想還佢。

そして、三年が過ぎました。

三年過去了。

いかとみと天女は仲良く暮らしていましたが、天女はいつも天にある自分たちの世界に帰りたいと思っていました。
伊卡道米(ikatomi)摎仙女感情當好過日仔，毋過仙女總係想愛轉天頂，該正係自家个世界。

家の掃除をしていた天女は、天井裏に黒い紙包みがあるのに気づきました。
仙女在屋家拚掃个時節，在棚頂看到一隻用黑色紙包等个東西。

「・・・どうしよう？」
「・・・仰般好呢？」

天女は、悩みました。
仙女，無結無煞。

いかとみと暮らすうちに、いかとみの事が好きになっていたのです。でも、天の世界に帰りたい。
在摎伊卡道米(ikatomi)共下生活這站時間，嗄中意著伊卡道米(ikatomi)，毋過還係想轉天頂。

このままいかとみの妻として地上で暮らすか、それとも天の世界に帰るか。
就恁樣本本做伊卡道米(ikatomi)个餔娘，在人間過生活，抑係轉天頂？

その頃、いかとみは獲物をたくさんつかまえたので、その獲物を町で売って天女のためにきれいなクシを買って帰る途中でした。

該下伊卡道米(ikatomi)打著盡多獵物，拿去街路賣，摎仙女買了一支當靚个梳仔，當當在轉屋下个路上。

「あっ、まっ、まさか！おーい、待ってくれー！」

「唉哦，斷，斷真！噯，等一下！」

いかとみは力の限り天女を追いかけましたが、そのうち天女の姿は見えなくなってしまいました。

伊卡道米(ikatomi)拚命追仙女，追到氣扯氣急，直直追到看毋到仙女。

おしまい
煞咧

ささずんと昔話講座　第17話【天女の羽衣】

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ささずんと昔話講座　番外編04話【女房青史】

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