福娘童話集 > きょうの新作昔話 >杉の木、百本 吉四六(きっちょむ)話 大分県の民話 2020年8月24日の新作昔話
むかしむかし、吉四六さんと言う、
とてもとんちの出来る人がいました。
「どうだろう、吉四六さん。
「いいとも。任せてくれ」
《杉の木、百本》
世話人は大喜びで、今度は庄屋さんの家に行きました。
「何! あのけちの吉四六さんが、杉の木を百本も寄付するだと!」
と、思い、仕方なく、
《米、百俵》
それからも吉四六さんのおかげで、村のみんなはいつもよりたくさんの寄付をする事になりました。
吉四六が杉の木を百本も寄付すると言うので、大勢の人が車をひいて吉四六さんの家へやって来ました。
「吉四六さん、この度は杉の木、百本もの寄付をありがとうございます。
「いやいや、どこへも行かんでいい。今ここで渡すから」
と、言って、杉の木のおはしを百本渡したそうです。
おしまい |
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