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ほらふき男爵 シカのサクランボウ 
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       わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)。 
 みんなからは「ほらふき男爵」とよばれておる。 
 なぜかだって? 
 それはだな、わがはいのぼうけんがあまりにもすごいので、みんな信用せずに、ほらだと思っておるからじゃ。 
 なに、わがはいの話を聞きたいじゃと。 
 そうか、よしよし。 
 それならこんな話はどうじゃな。 
 ある日、わがはいは狩りをしに森に行った。 
 すると、大きくて立派なシカが現れたのじゃ。 
 よし、こいつをしとめてやろうと鉄砲をかまえたが、あいにく玉切れじゃ。 
 そこで、落ちていたサクランボウのタネを鉄砲に詰めて「ズドン!」とおみまいしてやった。 
 ところが、シカはそのまま逃げてしまったのじゃ。 
 玉は、たしかにシカの頭に命中したはずなのに。 
 さて、つぎの年の事。 
 わがはいは、ふたたびそのシカに出会った。 
 なぜ、同じシカだとわかったのか。 
 それは、シカの頭から3メートルものサクランボウの木が生えており、サクランボウがたくさん実っていたからじゃ。 
 いやはや、そのサクランボウのおいしかったこと。 
 では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。 
      おしまい 
          
         
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