| 
      | 
     
        福娘童話集 > お薬童話 > 眠れない時のお薬童話 
         
        
       
ヒョウのかわのやね 
佐賀県の民話 → 佐賀県情報 
      
       むかしむかし、唐津(からつ→さがけん)の町に、かんねどんとよばれている変わり者がいました。 
 ある日の事、かんねどんが近くの村に出かけていくと、りっぱな家をたてているところにぶつかりました。 
「柱も太いし、よい家じゃ」 
「まるで、御殿(ごてん)のようだ」 
 村の人たちがあつまって、みんなで家をほめています。 
 かんねどんもそう思いましたが、かんねどんはへそまがりだったので、 
「こんな家が御殿ようじゃと? おれの家など、ヒョウのかわで、やねをふいてあるわい」 
と、いばって言いました。 
「へえ、ヒョウのかわでやねがふいてあるとは豪勢(ごうせい)じゃのう。ぜひとも見せてもらいてえ」 
「いいとも、いいとも。ついてくるがいい」 
 かんねどんは、村の人たちを家へ連れてきました。 
「これがそうだ。よくみろ」 
 かんねどんは、たわらをかぶせただけの、とてもそまつな家を指さして言いました。 
「おいおい、これのどこがヒョウのかわだ」 
「おんぼろだわらではないか。バカにするな!」 
 村の人たちがさわぐと、かんねどんがいいました。 
「米のたわらをかぞえるとき、村では一俵、二俵というじゃろが。つまり、俵(たわら)とかいで、ひょうとよむ。そのひょうのかわで、やねがふいてあろうが」 
「・・・・・・」 
「・・・・・・」 
 村の人たちは、あっけにとられて何もいえませんでした。 
      おしまい 
          
         
  | 
      | 
     |