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        福娘童話集 > お薬童話 > ヒステリーをやわらげる お薬童話 
         
        
       
ヘビがカエルをのむわけ 
大分県の民話 → 大分県情報 
      
       むかしむかし、神さまが世界中の生き物をつくったのですが、どの生き物もつくったばかりで、何を食べさせるのかまだ決めていませんでした。 
 生き物たちは何を食べていいのかわからないので、おなかがペコペコです。 
 そこで生き物たちは、かわるがわる神さまのところへ行って、 
「早く、食べ物をきめてください」 
と、おねがいしました。 
 すると、神さまが、 
「明日の朝、食べ物をきめてやるから、みんな集まるように」 
と、おふれを出しました。 
 よろこんだ生き物たちは、夜の明けるのを待って、神さまのところへ出かけました。 
 さて、ヘビがノロノロとはっていると、後ろからカエルがやってきました。 
「なんだなんだ、地べたをノロノロとみっともない。もう少しはやく進めないのかね」 
「そんなこと言っても、おなかがすいて、目がくらみそうだよ」 
 ヘビが力のない声で言いました。 
「ふん。そんなにノロノロしていては、昼になってしまうぞ。まあ、お前は後からやってきて、おれのおしりでもなめるんだな」 
 カエルはヘビをバカにして、ピョンピョンとんでいきました。 
 生き物がみんな集まると、神さまは次々に呼び出して、それぞれの食べ物をきめました。 
 でも、カエルは、なかなか呼ばれません。 
 怒ったカエルは、神さまの前に飛び出して言いました。 
「早くわたしの食べ物をきめてください。わたしが一番先にやってきたのですよ」 
 神さまは、うるさいカエルをジロリと見て言いました。 
「よし、お前は虫を食べるがよい」 
「えっ? わたしの食べ物は虫ですか!?」 
 カエルは、ガッカリです。 
 それでも食べ物がきまったので、ホッとして帰ろうとすると、神さまが言いました。 
「待て。お前にはもう少し言うことがある。お前はここへ来る時、ヘビをバカにして、おしりでもなめろと言ったであろう」 
「まあたしかに。だってそれは、ヘビがあまりにもノロマですから」 
「いいわけはよろしい。のぞみどおりに、これからはヘビにお前のおしりをなめてもらうことにしよう」 
「とっ、とんでもない!」 
 カエルはビックリして反対ましたが、神さまは許してくれません。 
 その時から、ヘビはカエルを見つけると、すぐにおしりから飲み込んでしまうのです。 
      おしまい 
          
         
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