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たなばたのお話し 第 1 話

イヌ飼い七夕
イラスト sai-sai  運営サイト sai-sai「イラスト」「コミック」

犬飼(いぬか)七夕(たなばた)

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

 むかしむかし、あるところに、一人(ひとり)犬飼(いぬか)いがいました。
 犬飼(いぬか)いとは、()りで使(つか)猟犬(りょうけん)(そだ)てる仕事(しごと)です。

イヌ飼い七夕

 ある () (こと) 犬飼(いぬか) いがお 気に入(きにい) りの (いぬ) () れて (いけ) のそばを (とお) ると、 (いぬ) (きゅう) () () したのです。
「こら、いったいどうした? ・・・あっ!」

イヌ飼い七夕

 見() ると、 (うつく) しい (むすめ) (いけ) 水浴(みずあ) びをしているではありませんか。

イヌ飼い七夕

「こんな (うつく) しい (むすめ) (いま) まで () たことがない。
 あれはきっと、うわさに () いた天女(てんにょ) だな。
 天女(てんにょ) なら、きっとどこかに羽衣(はごろも) () いでいるはず」
 犬飼(いぬか) いは、 (いぬ) (めい) じました。

イヌ飼い七夕

(はや) く、あの 天女(てんにょ) 羽衣(はごろも) 探し出(さがしだ) せ」

イヌ飼い七夕

 さて、しばらくして 天女(てんにょ) (いけ) からあがってきましたが、どうした (こと) 大切(たいせつ) 羽衣(はごろも) がどこにも 見当(みあ) たりません。
 犬飼(いぬか) いが、 羽衣(はごろも) (かく) してしまったからです。
 羽衣(はごろも) がなければ、 天女(てんにょ) (てん) (もど) れません。
「どうしよう・・・」
 天女(てんにょ) (こま) っていると、 犬飼(いぬか) いが (あらわ) れて () いました。

イヌ飼い七夕

「お (こま) りの (よう) だが、どうしました?」
「はい、 (じつ) は・・・」
 天女(てんにょ) 事情(じじょう) (はな) すと、 犬飼(いぬか) いが () いました。
「それなら 羽衣(はごろも) () つかるまで、わしの (いえ) にいればいい」
 こうなれば、 仕方(しかた) ありません。

イヌ飼い七夕

 行() くところのない 天女(てんにょ) は、 犬飼(いぬか) いの (いえ) () きました。

イヌ飼い七夕

 そして、 犬飼(いぬか) いのお (よめ) さんになったのです。

 二人(ふたり) 仲良(なかよ) () らして、 数年(すうねん) がたちました。

イヌ飼い七夕

 ところがある () (よめ) になった 天女(てんにょ) (かく) してあった 羽衣(はごろも) () つけてしまったのです。
「ひどい! あんまりだわ!」

イヌ飼い七夕

 天女(てんにょ) はすぐに 羽衣(はごろも) () につけると、 空高(そらたか) 舞い上(まいあ) がって () きました。
 それに () づいた 犬飼(いぬか) いは、

イヌ飼い七夕

() っておくれ!  () かないでおくれ!」
と、 (こえ) 張り上(はりあ) げましたが、 天女(てんにょ) はそのまま (そら) () こうへ () えてしまいました。

 お (よめ) さんの 天女(てんにょ) がいなくなってから、 犬飼(いぬか) いは 毎日(まいにち) 毎日(まいにち) 天女(てんにょ) (こと) (かんが) えていました。

イヌ飼い七夕

「どうすれば、 (つま) () (もど) せるだろうか? どうすれば・・・」
 そこで 犬飼(いぬか) いは、 占い師(うらないし) のおばあさんのところへ 相談(そうだん) () きました。
 すると 占い師(うらないし) は、こう () いました。

イヌ飼い七夕

() (もど) (こと) 出来(でき) ないよ。だが、お (まえ) ( ほう ) から (たず) ねて () けばいい」
(たず) ねて () けと () っても、どうやって (てん) () けば () いのだ?」
「それは 簡単(かんたん) さ。
 天女(てんにょ) (ところ) () くには、 一晩(ひとばん) 百足(ひゃくそく) わらじ(つく) れば () い。
 その 百足(ひゃくそく) のわらじを (つち) () めて、その (うえ) にヘチマの (たね) をまいてごらん」

イヌ飼い七夕

 それを () いた 犬飼(いぬか) いは、さっそく (いえ) (かえ) るとわらじを 作り始(つくりはじ) めました。
( ( つま ) よ、 ( ) っていろよ。 ( かなら ) ( むか ) えに ( ) くからな)
 百足 ( ひゃくそく ) のわらじを ( つく ) ( こと ) は、とても 大変 ( たいへん ) ( こと ) です。
 犬飼 ( いぬか ) いは ( やす ) ( こと ) なく、わらじを ( つく ) ( つづ ) けました。

イヌ飼い七夕

 でも (よる) () けた (とき) には、 九十九足( 99そく ) しか 出来上(できあ) がっていませんでした。
九十九足(99そく) しかないが、 百足(ひゃくそく) とは、あまり () わるまい」
 そして 占い師(うらないし) 言葉(ことば) (どお) りに、わらじを (つち) () めてヘチマの (たね) をまくとどうでしょう。

イヌ飼い七夕

 ヘチマのつるがドンドンドンドン () びて、 (いま) にも (てん) (とど) きそうになりました。
「よし、お (まえ) () いて () い」

イヌ飼い七夕

 犬飼(いぬか) いは (いぬ) 一緒(いっしょ) に、ヘチマのつるを (のぼ) って () きました。
「もう (すこ) しだ。もう (すこ) しで (つま) () えるぞ」

イヌ飼い七夕

 けれど、もう (すこ) しで (てん) (とど) くところで、ヘチマのつるは () びるのを () めてしまったのです。
(なん) という (こと) だ。わらじが 一足( 1そく ) 、たりないばかりに!」

イヌ飼い七夕

 犬飼(いぬか) いがくやしがっていると、 (あと) から () いて () (いぬ) 犬飼(いぬか) いの (あたま) をピョンと 飛び越(とびこ) えて、 (てん) 飛び上(とびあ) がったのです。

イヌ飼い七夕

 そして (いぬ) は、 犬飼(いぬか) いにお (しり) () けると、
「それ、だんなさま」
と、 (なが) 尻尾(しっぽ) をたらしてくれました。

イヌ飼い七夕

「ありがたい」
 犬飼(いぬか) いは (いぬ) 尻尾(しっぽ) をつかむと、 (なん) とか (てん) にたどり () きました。

イヌ飼い七夕

 その () 犬飼(いぬか) いは 彦星(ひこぼし) に、お (よめ) さんの 天女(てんにょ) 織姫(おりひめ) になったという (こと) です。

イヌ飼い七夕

おしまい

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