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 第 7話
 
  むだなしるし   わたし舟にのったお客が、命から二番めに大事にしていた銀のきせる(きざみたばこを吸うためのパイプ →詳細)を、川の中におとしてしまいました。「しまった!」
 客があわてていると、舟頭(せんどう→船をあやつる人)もあわてて、
 「どこらへんに、おとしました」
 「ここだ、ここだ」
 お客が、舟べりの、おとしたあたりを指さすと、舟頭は、
 「うむ、ここか」
 そういって、指につばをつけ、船べりにしるしをつけました。
 「さあ、しるしをつけたからもう大丈夫です」
 ♪ちゃんちゃん(おしまい)
   
 
 
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