福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 

福娘童話集 > きょうの新作昔話 >彦一のウナギつり 彦一のとんち話

2020年4月13日の新作昔話

彦一のウナギつり

彦一のウナギつり
彦一(ひこいち)話 → 彦一について

日本語  ・英語中国語

日本語&英語日本語&中国語

♪音声配信(html5)
音声 ☆横島小次郎☆

 むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、とてもかしこい子どもがいました。

 ある日のこと、彦一は肥後(ひご→くまもとけん)の国ざかいの川へ、ウナギつりに出かけました。
 けれどこの日はどうしたことか、ウナギがさっぱりつれません。
 つれる場所を探して川の上流へ上流へとのぼって行くと、いつの間にか隣の国の領地(りょうち)に入ってしまいました。
「まあ、誰にも見つからないだろう」
 彦一がつりを始めると、今度はおもしろいようにウナギがつれます。
 するとそこに隣の領地のさむらいがウナギつりにやって来て、彦一を見つけました。
「やい、やい、彦一。ここは、わしの殿さまの領地の川じゃ。お前がつったウナギを残らずよこせ」
 ところが彦一は、少しもあわてません。
「おらは、八代(やつしろ)の川を大きなウナギが何百匹ものぼるのを見て、それをつりに来たまでじゃ。八代のおれが八代のウナギをとって、どこが悪い」
「ふむ、それはそうだが、八代のウナギとわしの領地のウナギとを、どうして見分ける事が出来るんだ。へりくつをぬかすな」
「いいや、見分けるなど、わけもない」
 彦一は大きなウナギをつりあげると、
「これは、八代からのぼってきたやつ」
と、自分のビク(→さかなを入れるカゴ)に入れ、小さいのがかかると、
「これは、そちらのウナギ」
と、さむらいのビクにポイと投げ入れました。
 そうして彦一は、大きいウナギだけを持って帰りました。

おしまい

前のページへ戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識