福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     1月21日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
料理番組の日
きょうの誕生花
ろうばい
きょうの誕生日・出来事
1947年 高田純次(タレント)
  1月21日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
無用の位
きょうの世界昔話
身代わりにされたクマ
きょうの日本民話
二つのおむすび
きょうのイソップ童話
イヌと主人
きょうの江戸小話
しりちがい
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 >戦場ヶ原・神戦物語

2013年 1月21日の新作昔話

戦場ヶ原・神戦物語

戦場ヶ原・神戦物語
栃木県の民話栃木県の情報

 昔々、京の都に有宇中将(ありうちゅうじょう)」という若い公達がいました。
 ところが、この公達は鷹狩が大好きで、そのため天皇の怒りに触れ、奥州(現在の東北地方)に左遷されてしまいました。

 中将は小野の郷で暮らすようになり、朝日長者の娘・朝日姫と結婚して、六年後には男の子が生まれ『馬王(うまおう)』と名付けられました。
 馬王は成長すると、『馬頭中納言(ばとうちゅうなごん)』と呼ばれるようになりましたが、ある日、彼は一人の侍女との間に子供をもうけました。
 その子は家にいるよりも山野を駆け巡るのが好きで、弓の名人となりましたが、惜しいことに顔はまるで猿にそっくりで、人々からは『猿麻呂』と呼ばれていました。

 さて、猿麻呂がたくましく成長した頃、中将と朝日姫はすでにこの世にはなく、下野の国(今の栃木県)二荒山の男体権現と女体権現に祭られて、日光権現となっていましたが、上野の国(今の群馬県)の赤城山の神が悪心を起こし、中禅寺湖を奪おうと攻めてきて、やがて大きな戦となりました。
 赤城山の神は大ムカデの姿で、二荒山の神は大蛇(龍)の姿で戦いましたが、大ムカデが有利で大蛇(龍)は負けそうになりました。
 その時、常陸の国(今の茨城県)の鹿島大明神が二荒山の神に「奥州に住む弓の名人・猿麻呂に助けを求めよ。」とアドバイスをしました。

 それから間もなくある日、猿麻呂がいつものように熱借(あつかし)山で狩をしていると、突然一頭の白鹿が現れ、猿麻呂はそれを追いかけているうちにとうとう二荒山の日光権現の堂まで来てしまいました。
 白鹿は女神(女体権現)の姿になって、
「猿麻呂よ、私はあなたの祖母です。あなたが生まれた頃には私達はもういなかったので、知らないでしょうが……。私が鹿に姿を変えて誘ってきたのは、お願いがあるからなのです。明日、最後の決戦があるので手助けをして欲しいのです。」
と、猿麻呂に言いました。

 翌日猿麻呂が目をこらすと、赤城山の方からムカデの大群が押し寄せてきていました。
 二荒山の方からは大蛇(龍)の群れが迎え撃ち、激しい戦いとなりましたが、やはりムカデが有利でした。
 猿麻呂は頭に角の生えた大ムカデが、赤城山の神とにらみ、弓矢をつがえて大ムカデの左目めがけて放ちました。
 矢は見事に大ムカデの左目を射抜き、日光権現に大勝利をもたらしました。
 こうして、大ムカデと大蛇(龍)が戦った場所は『戦場ヶ原』と呼ばれるようになったのです。

おしまい

 → 日光観光協会オフィシャルサイト

この物語は、福娘童話集の読者 山本様からの投稿作品です。

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識