福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     3月30日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
マフィアの日
きょうの誕生花
巾着草(きんちゃくそう)
きょうの誕生日・出来事
1966年 村上里佳子(タレント)
  3月30日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
サルの恩返し
きょうの世界昔話
家の精
きょうの日本民話
オオカミばあさん
きょうのイソップ童話
ヘビとカニ
きょうの江戸小話
ふだん用のネコ
きょうの百物語
二人幽霊
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 >不思議なとっくり

2012年 3月30日の新作昔話

不思議なとっくり

不思議なとっくり
東京都の民話東京都の情報

 むかしむかし、おかみさんが買い物を終えて家の近くまで帰って来ると、近くの小川からとてもいいにおいが立ちのぼってきました。
 それは、あまいお酒のにおいでした。
「ふん。また、うちの人が、お酒を飲みながら居眠りをしているんだね。・・・まったく、困ったもんだ」
 隣近所の旦那(だんな)たちは、道のわきで将棋をしながら真っ赤な顔をしています。
 旦那たちはおかみさんの顔を見ると、みんなおじぎして言いました。
「ごちそうになっています。まったく、いつもうまい酒で」
 そして小川の水を茶わんでくみ上げると、うまそうに飲みました。

「ただいま」
 おかみさんが家の戸を開けると、お酒がどっと、あふれ出てきました。
 そのお酒は二階の階段からは滝の様に、
 ザー、ザー、ザー、ザー、
と、流れ落ち、家具がお酒にプカプカと浮かんでいます。
 
「あんたー、いい加減に、目をお覚ましよ!」
 おかみさんは二階に声をかけると、流れるお酒をかきわけて二階へ登って行きました。
 二階では亭主が、半分お酒に浮きながら真っ赤な顔で寝ています。
 その亭主のまくら元には、とっくりが一本転がっていて、そのとっくりの口からお酒があふれ出ているのです。
「ほら、また、とっくりをひっくり返したまま寝て」
 おかみさんがとっくりを立てると、不思議な事に滝の様に流れていたお酒がピタッと消えてしまいました。
 そしてプカプカと浮いていた家具が、元のところへスーッとおさまったという事です。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識