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白バラちゃんと赤バラちゃん

白バラちゃんと赤バラちゃん
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まちゃりんの読んだり〜の♪

 むかしむかし、ある森に、白バラちゃんと赤バラちゃんという、仲の良い姉妹が住んでいました。
 ふたりはいつも、
「わたしたち、ずっといっしょにいましょうね」
と、言っています。
 ある雪のひどい晩、さむさにこごえたクマが、二人に助けを求めました。
 ふたりはそのクマを、あたたかい部屋にとめてあげました。
 それから毎晩、クマは遊びに来るようになりました。
 すっかり仲良しになったある日のこと、クマはお別れを言いに来ました。
「春になると、地下から悪い小人がぼくの宝物をぬすみに来るんだ。見張らなきゃいけないから、ここにはもうこれないんだ」
「・・・そんな」
 さびしい気持ちで、二人はたきぎ拾いに出かけました。
 すると、たおれた木の下じきになって、小人がバタバタ手足を動かしていました。
 見ると、長いひげが枝にからまっています。
 白バラちゃんはしんせつに、からまった長いひげをはさみで切ってあげました。
 ところが、
「よくも、自慢(じまん)のひげを切ったな!」
 小人は助けられたのにお礼も言わず、木の根の間から金貨のつまったふくろを取り出すと、さっさと行ってしまいました。
 それから少したったある日、二人は川でひげを魚にくわえられている小人を見ました。
 よく見ると、この前のこびとです。
 今度もはさみでひげを切って助けてあげたのに、小人は、
「また、大事なひげを切りやがって!」
と、どなりながら真珠(しんじゅ)の入ったふくろをかついで岩のかげに消えました。
 それからもまなく、二人はワシにさらわれそうになっている小人を助けてやりました。
 小人はまたお礼も言わず、宝石のつまった袋をかかえて。
「おれの宝石を、ジロジロ見るな!」
と、いいました。
 そのときです。
「それは、ぼくの宝石だ!」
 クマがあらわれて、小人をやっつけてしまいました。
 するとクマの毛皮がハラリとぬげて、クマは美しい王子さまになったのです。
「悪い小人を見つけてくれてありがとう。実はあの小人に魔法をかけられて、クマの姿にされていたんだ。小人のひげは小人の魔法のみなもと、小人のひげを切ってくれたおかげで、小人をやっつけることができました。白バラちゃん、ぼくと結婚してください。そして赤バラちゃんが、ぼくの弟と結婚してくれたら、ずっとみんなでいっしょにいられるよ」
と、言うわけで、白バラちゃんと赤バラちゃんは、いつも二人が言っていたように、ずっと仲良くいっしょにくらしました。

おしまい

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