福娘童話集 > お話きかせてね お話し きかせてね <日本昔話朗読> 福娘童話集
福娘童話集の朗読
お話し きかせてね

声優、アナウンサーが、
福娘童話集を朗読
広 告
 


福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうの日本昔話

サル酒

サル酒
大分県の民話大分県情報

♪音声配信
☆横島小次郎☆

 むかしむかし、大分県の府内(ふない→大分市)というところに、中屋玄通(なかやげんつう)という貧しい商人がいました。

 ある日、玄通が浦辺(うらべ)の町へお酒を売りに行こうと、高崎山(たかさきやま)のふもとを歩いていると、どこからか、
「キーッ、キーッ」
と、苦しそうな声が聞こえてきたのです。
「なんだ、あの声は!?」
 玄通が急いで声のする方へ行ってみると、サルが地面を転げ回っていたのです。
 見てみると大きな力二がサルの片足を、ギューッとはさんでいるのでした。
 かわいそうに思った玄通は、急いで力二を取ってやりました。
 そしてサルに、
「よしよし。さぞ、痛かったろう。だけどな、カニもお前やわしと同じ生き物なんじゃ。許しておやり」
と、言い聞かせる様に言うと、サルとカニを放してやりました。

 次の日、玄通が再び高崎山のふもとを通ってお酒を売りに行くと、
「キキーッ、キーッ」
と、またサルの声がします。
 見ると昨日のサルが、しきりに玄通を誘っているようです。
「なんじゃ? わしに、来て欲しいのか?」
 玄通は不思議に思いながらも、サルについて行きました。
 するとそのうち、水がわき出る大きな岩の前に出ました。
「キキーッ、キキーッ」
 サルがそのわき水を指さすので、玄通は何気なくそのわき水をなめてみました。
「・・・!! こっ、これは酒じゃ。しかも上等の酒じゃ」
 なんとそのわき水は、天然のお酒だったのです。
 サルは助けてもらったお礼に、サル仲間に伝わる秘密のお酒を玄通に教えてくれたのでした。

 玄通はそのお酒を売って歩き、やがては九州一の酒長者になりました。
 そのお酒は『サル酒』と呼ばれ、今でも高崎山ではこの伝説にちなんでサル酒が売られているそうです。

おしまい

前のページへ戻る

お話しの移動


・ 福娘童話集

・ お話しきかせてね


・ 日本昔話の朗読


福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診