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スズメとキツツキ

スズメとキツツキ
福井県の民話福井県情報

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
雀の折り紙すずめ

♪音声配信(html5)
朗読者 : おはなしや

 むかしむかし、スズメのお母さんが重い病気になって、今にも死にそうだという知らせがありました。
「そりゃ、大変だ!」
 親孝行なスズメの息子は、普段着のまま大あわてでお母さんのところへかけつけました。
 仕事の途中で来たので、顔はドロだらけです。
 でも、元気な息子の顔を見たお母さんは、
「ありがとう。よく来てくれたね」
と、とても喜び、死にそうだった病気まで治ったのです。
 この事を知った神さまは、とても感心して
「これからは虫の他にも、人間と同じ様にお米を食べるがよい」
と、お米を食べる事を許してくれたのです。
 そして人間の住んでいる近くでも、暮らせる様にしてくれました。

 さて今度は、キツツキのお母さんが重い病気になり、今にも死にそうだという知らせがありました。
 でも、親不孝なキツツキの娘は、
(ふーん、そうなの。
 でもまあ、まだ死んだわけではないから、あわてなくても大丈夫ね。
 それよりも、きっと近所の鳥たちもお見舞いに来ているから、わたしのきれいなところを見せなくちゃ)
 キツツキの娘は、いつもよりもていねいにおけしょうをすると、一番上等な着物を着て出かけました。
 でも気の毒な事に、お母さんは娘が来るのが待ち切れずに死んでしまいました。

 さて、それを知った神さまは、カンカンに怒りました。
「母親よりも自分が大事とは、なんとひどい娘だ!」
 そして神さまは罰として、キツツキに木の中の虫しか食べられないようにしたのです。

 そう言うわけで、スズメは今でも自由にどこへでも飛んで行けるし、おいしいお米を食べる事も出来ます。
 しかしキツツキは山の中から出られず、木に穴を開けなければ虫を食べる事が出来ないのです。

おしまい

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