福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
モミの木とイバラ 
      
      
        大きくて立派なモミの木が、足元のイバラを見下していいました。 
「おほん。私は世の中に色々と役に立つ、いだいなモミの木さまだ。・・・おや? 私の足元に生えているお前は、全身がトゲトゲで、みんなからきらわれているイバラだな。お前に一つ聞くが、お前には一体、何の取り柄があるのだ?」 
 するとイバラが、こういいました。 
「確かに、私には何の取り柄もありません。でも・・・」 
「・・・でも、なんだね?」 
「あっ
  、ほら、ほら。オノを持ったきこりがやって来ましたよ。まっすぐこっちへ向かってきますね。私たちに、なにか用でしょうか? いや、わたしはトゲトゲのきらわれ者ですから、きっと、あなたに用でしょう。人気者はたいへんですね。・・・あれ? どうしました? 風もないのに、急に震え出したりして」 
   
 このお話しは、不安を抱える金持ちよりも、貧乏(びんぼう)でも平凡な生活の方がいいということを教えています。 
      おしまい 
          
         
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