福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      同じ重さの荷物をはこぶロバとラバ 
      
      
        ロバとラバがならんで、歩いていました。 
 ロバは自分がはこんでいる荷物と、ラバの荷物とが同じなのを見て、 
「これはひどいなあ。ラバくんは、ぼくの二倍もエサをもらっているのに、荷物はぼくと同じだなんて、不公平だなあ」 
と、ぶつぶついいました。 
 けれどもしばらくいくうちに、ロバひきは、ロバがひどくつかれているのに気がついて、ロバの荷物をすこしラバの背なかにうつしました。 
 またしばらくいくうちに、ロバがまえよりもいっそうつかれているのを見たロバひきは、ロバの荷物をまたへらして、ラバにうつしました。 
 そしてしまいには、ロバの荷物ののこりぜんぶを、ラバにうつしてしまいました。 
 そのとき、ラバはロバの顔を見て、 
「どうだい。ぼくがきみの二倍のエサをもらうのは、とうぜんだと思わないかい」 
 
 わたしたちも他人を判断するときは、はじめだけでなく、おわりまでよく見てからにしましょう。 
      おしまい 
          
         
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