福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
         
王さまを欲しがるカエル 
      
      
        自分たちの所に王さまがいないのを悲しんでいたカエルが、ゼウスの神の所へお使いを出して、 
「王さまを下さい」 
と、頼みました。 
 ゼウスはカエルたちがバカなのを見て、沼の中に木ぎれを落としました。 
 カエルたちは始め、その音に驚いて沼の底に潜りました。 
 けれど、いくらたってもその木ぎれが動かないものですから、浮き上がって来てそれをバカにして、その上に乗って座っていました。 
 
 そんな王さまを持っては肩身が狭いと思ったので、カエルたちはもう一度、ゼウスの所にやって来て、王さまを取り替えて下さいと頼みました。 
 はじめの王さまは、あんまりぐずだというのです。 
 するとゼウスはカエルたちに腹を立てて、今度はヒドラという大蛇を寄こしたので、カエルはみんな飲まれてしまいました。 
 
 たとえぐずでも悪くない王さまの方が、たとえ優秀でもひどい王さまよりは、まだましです。 
      おしまい 
          
         
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