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          福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      ゼウスとプロメテウスとアテネとモモス 
      
      
       ゼウスは、ギリシャの神々の中で一番偉い神。 
 プロメテウスは、ゼウスから火を盗んで人間に授けたといわれる神。 
 アテネは、学問の女神です。 
 この三人の神がある時、コンクールをしました。 
 ゼウスが作った雄牛と、プロメテウスが作った人間と、アテネが作った家との中で、どれが一番良く出来たかを比べようというわけです。 
 審判官には、モモスが選ばれました。 
 モモスは、不平や悪口ばかり言う神です。 
 モモスは、ゼウスたちが作った物を見て、ねたましくなりました。 
 それでまず、ゼウスの雄牛について、 
「これは失敗ですね。 
 雄牛の目は角(つの)の先につけなければ駄目ですよ。 
 角で突く時にどこを突くか、ちゃんと見定めるには、目は角の先になくてはね」 
と、言いました。 
 次に、プロメテウスの人間をさして、 
「駄目駄目、人間の心は外側につけなければ。 
 心が外についていれば、悪巧みが丸見えで隠しようがないでしょう。 
 誰もかれも、心の中で思っている事をちゃんと見せるように、心は外側でなくてはね」 
 アテネが作った家については、 
「ふーむ。家を作るなら、車付きにすべきでしたね。 
 隣に嫌な奴が越してきたら、すぐ別の所へ移れる様に、家にはちゃんと車をつけて欲しかったですな」 
 嫌みばかりいうモモスに対してゼウスはすっかり腹を立てて、神々の山オリンポスから追い出してしまいました。 
 
 このお話しは、どんなに良く出来た物でも、けちをつけようとする人が見れば、必ず何かしら欠点が見つかるものだという事を教えています。 
 そして、その様にけちをつける人は、相手にしない方がいいでしょう 
      おしまい 
          
         
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