福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
          
       
      ライオンとウシ 
      
      
        あるライオンが、たいそう大きなウシを殺そうとたくらんで、だまし討ちの計画を立てました。 
 ライオンはウシに、 
「神さまにそなえるために、ヒツジを殺したから、きみもお祭りの宴会(えんかい)にきたまえ」 
と、いって、さそいました。 
 じつはウシがやってきて、テーブルについたら殺そうと考えていたのです。 
 ウシは、やってきました。 
 しかし、そこに大皿や長い焼き串はたくさんあるのに、ヒツジがぜんぜん見えないことに気がつくと、ひとこともあいさつしないで、すぐにかえろうとしました。 
 ライオンは、 
「きみ、失礼じゃないか。気を悪するようなことは、なんにもしていないのに、なぜだまってかえってしまうのだ」 
と、いいました。 
 するとウシは、 
「ここにならんでいるのは、ヒツジではなくてウシを食べるための準備だからさ」 
 
 このお話しは、かしこい人は悪人の計画には引っかからない、ということをおしえています。 
      おしまい 
          
         
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